<全国高校野球選手権:開星6-5宮崎商>◇6日◇1回戦◇甲子園
開星(島根)の前田翔太外野手(3年)が、自身初のサヨナラ打を放った。
「『飛距離、伸びてくれ~』と思いながら走っていました」
5-5で迎えた今夏初のタイブレークの延長10回無死満塁。前田は武者震いしながら打席に向かった。「一番おいしい場面で打席が回ってきた。震えましたね」。2球で追い込まれ、カウント2ストライクからの4球目。外角低め121キロスライダーを捉え、中堅まで運んだ。サヨナラ犠飛で三塁走者が生還。値千金の一打に「実感がないですね。みんながホームに集まっていたので『サヨナラなんだ』って」と勝利を確信。9回から左翼守備で途中出場した背番号11が大仕事をやってのけた。
「朝夕2部制」が今大会から拡大され、午後1時半を過ぎると新たなイニングに入らず、同45分に試合が止められ、継続試合が宣告されることになっていた。5-5で突入した延長10回タイブレークの攻撃開始時は同1時半を経過していた。開星が無得点だった場合、大会史上初の継続試合となっていた。
ナインはすでに今大会の抽選会前に「継続試合」の存在を把握済み。選手同士のミーティングでも共有し、心の準備はできていた。それでも「(継続試合は)流れが変わって、どっちのチームに転ぶか分からない。自分で決めることができて良かったです」と前田。継続試合を寸前で回避し、劇的決着で初戦突破した。【佐藤究】
◆3元号で指揮 開星・野々村直通監督は広島の府中東監督時代から昭和、平成、令和の3元号で甲子園出場となった。過去に3元号で甲子園に出場した監督は阪口慶三監督(東邦、大垣日大)、佐々木啓司監督(駒大岩見沢、クラーク)、小倉全由監督(関東第一、日大三)の3人。今大会では聖隷クリストファー・上村敏正監督も3元号出場となる。
◆開星対仙台育英 2回戦でぶつかる両校は10年夏1回戦でも対戦。当時の開星は同年春に野々村監督が21世紀枠の向陽に1-2で敗れた後、「末代までの恥。腹を切りたい」などと発言したことで辞任。山内弘和新監督の初陣だった。185センチ、91キロの巨漢エース白根尚貴(元DeNA)、糸原健斗(現阪神)らを擁し、5-3とリードしたが9回表2死無走者から3点を奪われるまさかの逆転負け。1点差に詰め寄られた後、試合終了かと思われた平凡な中飛が落球となり、2者の生還を許した。