<秋季高校野球秋田大会:金足農9-1大曲工>◇12日◇4回戦◇こまちスタジアムほか
予選を勝ち抜いた16校による本選が幕を開けた。今夏の優勝校、金足農は大曲工を9-1の7回コールドで破った。1点を追う4回に、先頭の4番・鶴田星真外野手(2年)がチーム初安打となる右越え三塁打を放つと、スクイズや適時打などで一挙4得点。5回にも5点を奪って快勝した。決勝は21日に行われる予定で、上位3校はセンバツの選考につながる東北大会に進む。
4番が逆転勝ちへの口火を切った。3回まで、大曲工の先発高橋に出塁は3四死球のみに抑えられた。0-1で迎えた4回。鶴田は「まずなんとしてでも先頭で塁に出る」と打席に立った。外角直球を捉えると、打球は右翼手の頭上を越えた。全力疾走で三塁へ到達すると、拳を突き上げてベンチの仲間を鼓舞した。この一打をきっかけに一挙4得点。「チームがもう1点もう1点という雰囲気になっていて、(仲間を)勢いづけられたのでよかったです」と力を込めた。
夏の秋田大会ではメンバー入りも、甲子園はベンチ外となってスタンドから声援を送った。チームは初戦の沖縄尚学戦で好投手・末吉良丞投手(2年)にわずか3安打に抑えられ、0-1で惜敗。鶴田は「あと1球で負けてしまったなというのが印象に残っていて…。新チームになってから『あと1球』というところを追い込んでやっています」と話す。全国舞台で苦しんだ速球対策も含め、秋季地区大会期間中は練習時間の7割を打撃練習に費やすなど注力してきた。
新チームから打線の核を担う鶴田は「『お前が打つと勝てる』という雰囲気になっているので、それをプラスに変えていきたい」とプレッシャーにも負けない。前チームで主軸だった薮田龍人外野手(3年)からも「チャンスを生かせるように自分のスイングを貫いたほうがいい」と助言をもらい、今は「末吉くんを打つということを目標に」と日々バットを振っている。
秋の県頂点まであと3勝。「打線の中心を任せてもらっているので、どんな場面でも盛り上げられるようなプレーをしていきたい」。新4番の快音がチームの勢いを加速させる。【高橋香奈】
○…新エース斎藤遼夢投手(2年)は初回立ち上がりに苦しむも、変化球主体に切り替え2、3回は3者凡退。5回1安打1失点とまとめ「初戦ということでゼロに抑えたかったのですが。失点した後も切り替えての声をかけてもらい、楽な気持ちで投げられました」と感謝した。「今日はエースとしての投球ができなかったので、次回は自分らしい投球ができるように」と悔しさを糧にしていく。
○…2季連続県王者と、その先へ。8月中旬から新主将を担う大竹稀登(まいと)内野手(2年)は「繋(つなぐ)~歴史を創る~」という新スローガンに決意を込めた。今夏は金足農初の大会2連覇を達成。新チーム結成時のミーティングでは「先輩たちがつないでくれたものをしっかり次の代につないでいけるようにしたい」と共有した。甲子園経験メンバーも多く残り、「秋田県内では経験値が高く、団結力が強み」というチームを、選手たちとともに成長させている日々だ。中泉一豊監督(52)も「大事な声がけができるし、周りが見えている」と信頼を置く。
この日も、主将は劣勢の場面でも「ずるずるいくのは駄目。1回(悪い流れを)切ろう」などベンチを奮い立たせると、6回から就いた一塁の守備も落ち着いてこなした。「自分たちの野球をして、東北王者を目指して1戦1戦戦っていきたい」と力強く導いていく。