<明治神宮大会:花巻東3-1崇徳>◇15日◇高校の部1回戦◇神宮
“萬谷兄弟″の物語に新たなストーリーが描かれた。花巻東(東北・岩手)が、崇徳(中国・広島)を3-1で下し、4年ぶりの4強入りを果たした。先発の左腕、萬谷堅心投手(2年)が1失点完投。初の神宮マウンドだったが、最速を1キロ更新する139キロをマークするなど、エースらしさが光った。同校は2度目の出場で、21年初出場時のエースは兄大輝。4年後、弟堅心が勝利を挙げ、兄弟そろってチームを4強へと導いた。
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初めて立つ神宮のマウンド。「甲子園とはまた違った雰囲気でした」。萬谷は緊張から思うような投球ができずにいたが、5回以降は本来の姿を取り戻し、2点差を守り抜いた。
崇徳のプロ注目左腕との投げ合いとなり、5回まで両校ともに無得点。萬谷はランナーを背負いながらも、なんとか粘っていた。均衡を破ったのは主砲の1発だった。6回に古城大翔が先制のソロ本塁打。「かなり苦しい展開だったので、古城の1本で楽になりました」とエースのギアが上がった。さらに、2-1の8回1死満塁の好機で打席が回り、「絶対にかえす」と中前適時打。貴重な追加点をもたらし、投打で勝利に貢献した。
4年前は神宮のスタンドから大きな背中を見ていた。21年初出場時のエースは兄大輝(現中大準硬式)。初戦は先発し3失点(自責2)完投。2回戦は2番手で登板し、5回無失点で4強に導いていた。「自分もここに立ちたい」。胸の高鳴りを抑えきれずにいた堅心が4年後、その夢をかなえた。
兄弟ともに左腕であり、エースとして4強へ導いた。佐々木洋監督(50)は「2人には本当に感謝しています」と口にした。“萬谷兄弟″のそっくり加減は野球以外でも。「人間性も練習の取り組みも素晴らしくて、どうやって子育てしたのかなと思うほど立派な兄弟」と話し「萬谷で負けたら仕方ない」と信頼を寄せる存在だ。
初の頂点まではあと2勝。準決勝では山梨学院(関東・山梨)-九州国際大付(九州・福岡)の勝者と対戦する。エースは「目標は優勝ですが、目の前の試合を全力で戦っていきたいです」と意気込んだ。初出場時は4強止まり。兄を超えて「萬谷堅心」の名をとどろかせるつもりだ。【木村有優】
◆萬谷堅心(まんや・けんしん)2009年(平21)1月28日生まれ、岩手県出身。中学時代は盛岡北シニアで全国大会出場。好きな言葉は「百折不撓」。177センチ、70キロ。左投げ左打ち。兄大輝(中大)も同校OB。