<春季高校野球静岡県大会予選:藤枝東3-0静岡学園>◇28日◇代表決定戦◇焼津球場ほか
藤枝東が静岡学園を3-0で破り、2年連続の県進出を決めた。エース山下陽斗投手(3年)が、2試合連続完封に加えて決勝打と投打で活躍。人事異動で4月から袋井に赴任する大石泰広監督(51)とのラストマッチで、白星を贈った。藤枝明誠は島田樟誠に5-1で勝利した。29日に敗者復活戦13試合が行われ、来月18日開幕の県大会に出場する39校が出そろう。
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最終回2死。最後の打者をスライダーで見逃し三振に仕留めると、藤枝東のエース山下がほえた。9回124球を投げ、3安打完封。8回1死満塁の絶好機で自ら放った先制の中前適時打を皮切りに奪った3点のリードを守り抜いた。「うれしい以外の言葉がない」。駆け寄る仲間とグラブタッチを交わしながら、足取り軽く整列に向かった。
負けられない理由があった。開幕直前の19日に県教職員の人事が発表され、大石監督が教頭として袋井に異動することが決まった。自然とナインの気持ちが1つに。山下も「意地でも県大会に行って、良い形で終わりたかった」と気合十分でマウンドに上がった。
初回の先頭を含めて、5回までに5四死球と制球に苦しんだ。ストライク先行でスコアボードに「0」を並べた1回戦同様の快投とはいかず、ピンチも背負った。それでも右腕は「口角を上げて笑顔でプレーすれば、ポジティブな考えになってパフォーマンスも上がる」と大石監督の言葉を胸に粘る。尻上がりに調子を上げると、6回以降は二塁すら踏ませなかった。
恩師に贈る白星で2年連続の県切符を獲得。昨年、初戦の2回戦で敗退した舞台に再び挑む。大石監督は「今日は忘れられない勝利になった。こんなにうれしいことはない。上にいく力は十分ある。次の一戦も頑張ってほしい」とエール。応えるように山下も「県大会も自分が投げ抜いてチームを勝利に導きたい」と力を込め、夏のシード権獲得となる県16強の目標に視線を向けた。【前田和哉】