<センバツ高校野球:大阪桐蔭3-2専大松戸>◇29日◇準決勝◇甲子園
大阪桐蔭が専大松戸(千葉)に競り勝ち春夏10度目の優勝に王手をかけた。
大阪桐蔭の背番号1が意地を見せた。プロ注目で最速153キロ右腕の吉岡貫介投手(3年)が7回1失点と好投。前回登板の三重戦では5回途中4失点と期待に応えられなかったが、「自分がチームを勝たせるようなピッチングをしたいと思っていた。修正できました」と決勝進出へ導く一員となり胸をなで下ろした。
2回戦三重戦では7四球4暴投と荒れたが、西谷浩一監督(56)は準決勝の先発マウンドに吉岡を送り込んだ。本人も「前の試合で情けない結果になってチームが勝たせてくれたので『自分が』という気持ちになりました」と発奮した。
前回は上半身が開いたことにより安定感を失っていた。投球時に左足が着地してから投げることを意識し、安定感が復活。4回には同点とされてなお2死二塁だったが、低めスライダーで空を切らせて勝ち越しを阻止した。制球力を取り戻し、聖地での記憶を上書きした。
大阪桐蔭のある大東市出身。同校は身近な存在だったが、「倒したい側に回りたかった」と言う。ただ、1学年上に森陽樹(現オリックス)や中野大虎(現ENEOS)が所属しており、自らのレベルが分かる同校に入学を決意した。
今大会は後輩の川本が飛躍。チームの勝利には喜んだが、吉岡には悔しさが沸いた。「大阪桐蔭のエースとしていいピッチングをしないといけない」。強豪校の背番号1を背負いながら結果を残せず歯がゆかった。それでも重圧を力に変えて好投につなげた。西谷監督も「吉岡で勝ってきたチーム。これぐらいやってくれるのは分かってた。力はもっともっとある」とさらなる奮起に期待した。
優勝した22年以来4年ぶりの決勝進出。智弁学園戦へ、吉岡は「近畿の相手に負けるわけにはいかない」と闘志を燃やす。春夏10度目の日本一へ、ついに王手をかけた。【林亮佑】