高校日本代表前監督の小倉全由氏が「3つの小倉」として7回制導入への持論を述べた。6日、大阪市内で行われた高校野球「7イニング制」の意見交換会に参加。3つの小倉とは日大三(東京)などで38年間高校野球を率いた監督の立場、日本高野連が設置した7イニング制諸課題検討会議のメンバーとしての立場、そして昨年9月に沖縄で行われたWBSC U18野球ワールドカップを率いて7回制を戦った立場。それぞれの視点から自分が抱いた考えを力説した。
小倉氏は「私は長く監督をやらせてもらいましたが、正直に言って、若かった頃の自分は選手たちと一緒に甲子園に行くんだということしか頭になく、俺についてこいという指導ばかりでした。若い頃から甲子園の土を踏ませてもらったという恵まれた環境ではあったのですが、年齢を重ねるにつれて、その指導方針はついてこいから、選手たちにけがをさせてはいけない、事故を起こしてはいけないという、生徒の心身を第一に守る立場へと大きく変わっていきました」と高校野球の監督としての変化を説明した。特に50代半ばからは気遣いと注意を常に払い「自分自身への一種のプレッシャーやストレスのようになっていた部分もあります。若い頃は勢いだけでやっていた自分がいましたが、子どもたちを前にして事故を起こしてはいけないと強く意識する中で、私自身が変わり、練習を行うことの本当の怖さを知りました」と実感した。
7イニング制が検討されている背景には、選手たちの健康面への配慮が関係している。「子どもたちの健康面を一番に考えなければならない」という思いを強く抱いてきた。昨年行われた検討委員会に参加する中でも変わらず、逆に気づかされたことも多かったという。「現在のこの時代において、暑さ対策は急務です。子どもたちの発達や技量など全体を見つめ直しながら、もう一度高校野球の先のことを考えて検討しなければならない時期に来ている」。
そして昨年に日の丸を背負って臨んだ国際大会では、7イニング制という野球の難しさを身をもって経験した。「選手が打席に立つ機会が少なくなる。自分の中で野球を変えていかなきゃいけないっていう面での技術でもあり、そしてまた戦うことの難しさも経験しました。でも、7回では野球にならないのかということはない」と述べた。