【高校野球】41年ぶりの甲子園へ 立教新座を変えた「任せる野球」黒須清人新監督の指導法とは

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春季埼玉大会で25年ぶりの4強入りを果たし、シード権を獲得した立教新座(埼玉)の躍進の秘訣(ひけつ)とは。

同校グラウンドで行われた8日の練習。今年の4月に就任した黒須清人新監督(66)が掲げるのは、一般的な強豪校とは一線を画す「任せる野球」だ。

着任後、まず行ったのは選手との個人面談だった。ポジションへの思いや将来の夢、監督に伝えたいことまで一人ひとりの声に耳を傾けた。「まずは選手を理解することが先決だった」。指導者の考えを押し付けるのではなく、選手の力を最大限発揮させるための土台づくりから始めた。

チーム運営にも特徴がある。大会登録メンバーは選手間投票をもとに決定。試合中の判断も選手主体で、タイムを取るかどうかは仙波晴弥捕手(3年)が決める。キャプテンの筒井駿投手(3年)がチームメートへ指摘し、監督は見守る立場を貫く。

「言われてやるのと、自分たちで選んでやるのでは取り組み方が全く違う」。その考えは日常にも表れている。

係は設けず、必要な仕事を誰がやるかは選手自身が判断する。グラウンド整備も強制しない。「整備している時間も練習してほしいから」とむしろ最後の仕上げは監督が行う。

自ら指導者に名乗りを上げた立大に在学する卒業生の学生コーチ3人を含めて指導者は合計7人。部員67人をまとめるのには決して多くはない人数だが、その分生徒自身で考え行動する自主性が生まれていた。

埼玉県内だけでなく横浜から通う部員もいるなど、多様な選手が集まる中で、黒須監督は「言葉が心をつくる。良いプレーをしたときは、すぐに良いと伝えたい」と話す。その思いを体現するように、毎日誰よりも早くグラウンドに姿を見せ、誰よりも遅くに帰る。

選手自ら考え、判断し、責任を持つ。そんな環境の中で培われた主体性こそが、春の快進撃を支えた原動力だった。

Bシードを手にした今夏。立教新座は、自分たちで選び、自分たちで戦う野球で41年ぶりの甲子園を目指す。【会田京叶】