<広がる女性活躍>
アマチュア野球界で見せるジェンダーレスの動きとは。前週3日に続いて特集する「広がる女性活躍」の最終第2回は、市船橋(千葉)を支える女子マネジャー13人の奮闘や、立大で初の女性主務を務めた今の活躍、徳島県高野連初の女性会長の思いを紹介する。
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市船橋のグラウンドに足を踏み入れると、女子マネジャーが笑顔で迎えてくれる。「お飲み物は何に致しますか?」。手に持っているのは手作りメニュー表。コーヒー、お茶、期間限定メニューなどに、これからの季節はかき氷も加わる。ふと見渡すと、練習に励む選手たちの陰で、掃除に洗濯。忙しく動き回る彼女たちの姿があった。今年4月に就任した野田和宏監督(36)は「彼女たちはチームにはなくてはならない存在」と、全幅の信頼を置く。
今年、女子マネジャーは13人。昨夏までは18人も在籍した。入部には約1カ月間の仮入部期間を経て、最終的に本人が決める。海上雄大(うながみ・ゆうた)前監督(44)は「男子部員と違う特殊な活動内容。拘束時間も長くなる。それでもやりたい生徒は受け入れようと。その結果、増えたんです」と振り返る。日々、選手たちのサポートに徹し、日の目を見ない活動にも市船橋野球部のために、と熱い思いで集まった。
活動は早朝から始まる。7時15分に登校し、治療のある選手の準備。夕方からの練習では、選手の飲み物、サプリメント、食事を取るタイミングなどを先回りして準備。来客の対応、買い出し、掃除などで大忙しだ。「人数が多いと、役割を決めてより多くの仕事ができます」と青山莉緒さん(3年)。施設も整備され、選手たちは練習に集中。22年からの4年間で、春夏合わせて3回、甲子園出場を果たしたのも、彼女たちの力が大きい。24年からは女子マネジャーの指導を専任とする女性顧問も着任。学校側のバックアップも万全だ。
つらくても、チームカラーの緑に染まった甲子園のアルプスを思い出すと頑張れる。「昨夏、甲子園で(チャンステーマの)市船SOULを声をからしながら応援したことが支えです」(堤玲奈さん=3年)。関係者に冷たい飲み物を配り、アルプススタンドも清掃した。「皆さんに“ありがとう”と言っていただきうれしかった」(浜島日和さん=3年)。応援されるチームの喜びを感じた。
女子マネジャーの部室には「マネも選手とともに戦う」と書かれた習字が貼られている。「野球界に女性が入って行くことは革命」(福田美乃梨さん=3年)「女性が関われるようになるとさらにいい風が起こると思う」(高山愛琉さん=2年)「女性でも野球への愛が強い人がいる。性別は関係はない」(青木穂乃香さん=2年)。野球界に増える女性の活躍。それぞれ熱い思いを胸にチームの一員として今夏、再びの聖地を目指す。【保坂淑子】