<高校野球千葉大会:京葉工8-2白井>◇9日◇1回戦◇ADEKA袖ケ浦球場
野球部再生の3年間だった。白井・宇原翔太捕手(3年)が入部した際には、部員は3年生ひとりだけ。単独出場は絶望的な状況から、「部員が少ないんだったら自分が誘えばいい」と入学間もないながら教室をまわって大量勧誘。こうしてなんとかこぎ着けた単独出場は、いまや3年連続になる。昨年赴任した山口徹監督(42)の勧誘もあり、今年は11人の新入部員を迎えた。
当時宇原の誘いで加入した部員のひとりが主将の一谷駿治外野手(3年)。当時は野球初心者で本格的な運動経験もなかったが、もともと野球に興味は抱いていたことに加え、宇原の熱意で入部を決意。当初は打球判断もままならなかったが、今は中堅を守りスライディングキャッチを披露するまでになった。
指導者の言葉をよく吸収することが買われ、1年秋から主将も務める。初心者として苦労もあったが、「宇原がいろいろ教えてくれるから」と、周囲の助けを借りながら3年間大役を果たした。
この日も一谷に公式戦初の長打となる左越え二塁打が出ると、夏に苦手意識のあった宇原も夏初安打。試合にこそ敗れたが、宇原が「練習してきた以上のものが出せた」と言うように、3年間積み上げてきたものを証明した。
試合後、宇原が「キャプテン、3年間ありがとう」と声をかけると、一谷は「あのとき誘ってくれてありがとう。大変なこともあったけど一緒に戦えて楽しかった」と返答。新たな白井を作り上げてきた3年生たちは、静かにグラウンドを後にした。