【高校野球】「カナノウキラー」横手・佐藤宙斗1失点完投 春の課題を払拭で制球力安定/秋田

金足農対横手 7回を3者凡退に抑え、ベンチにひきあげる横手・佐藤宙斗投手(撮影・高橋香奈)

<高校野球秋田大会:横手3-1金足農>◇10日◇2回戦◇ITOKEN 80th スタジアムよこて

今夏の秋田は波乱が止まらない。第6シードの横手(秋田)が、夏2連覇中の金足農を3-1で下した。「カナノウキラー」エース佐藤宙斗投手(3年)は9回1失点の完投勝利。県内では全8シード校のうち4校が初戦敗退となる中で、3連覇を狙う実力校を倒して波に乗る。

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マウンドの佐藤宙は冷静だった。2点のリードを守り迎えた9回。先頭から二飛、右飛と打ち取り勝利まであと1アウト。マウンドには伝令が送られ「あと一つ。気持ちを切らさないで、みんなで丁寧に」と、息を合わせた。ラストバッターを渾身(こんしん)の直球で中飛に抑え、拳を握った。スプリットも効果的に使い6奪三振。中盤には足がつるアクシデントにも見舞われたが、102球の力投でマウンドを守り切った。

今春の県大会3回戦で金足農と対戦。9回を6安打2失点で完投、11三振を奪う快投をみせ「今までで一番いいピッチングだった」と振り返る。それでも「このままでは夏のカナノウには勝てない」と、夏2連覇中の名門との再戦を見据え自分を見つめ直した。「立ち上がりからMAXが出せるように」。甘い球が多かった春の課題を払拭(ふっしょく)するべく、アップひとつから全力で取り組み、制球力の安定にも手応えを感じた。

6月に行われた夏の抽選会。最初にくじを引いた横手の対戦相手は決まらず、最後に残りくじを金足農が引いた。背番号1は「春で自分の全てを見られていたので、正直投げたくないという気持ちでした」と振り返るも、この日は「返り討ちにする」と強気にマウンドに立った。山信田善宣監督も「たとえひっくり返されたとしても、彼の納得のいくところまで」と、気迫を横目に腹をくくった。

今年の秋田は初戦で第1シードの秋田商、第2シードの鹿角、昨秋Vの明桜と優勝候補が初戦で姿を消す波乱の展開。第6シードの横手も、金足農の3連覇を阻止し、57年ぶりの聖地へと発進した。「この勝利はチームの自信にもつながると思います。そして、自分も自信につなげていかなければいけない」。腕を振る度に大きくなりながら、頂を目指す。【高橋香奈】

◆横手 1898年(明31)に設立された県立校。生徒数624人。野球部創部は1902年(明35)甲子園出場は1969年夏の1回。主なOBはアナウンサーの長岡杏子、竹林宏ら。学校所在地は秋田県横手市陸成字鶴谷地68。高橋透校長。

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