<高校野球東東京大会:八丈1-15大森学園>◇10日◇2回戦◇大田スタジアム
敗退チームのドラマにスポットを当てる「胸張ってイイじゃん」を随時掲載し球児たちの奮闘に迫ります。
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八丈島育ちの2人の野球人生が、区切りを迎えた。グラウンド内外でうれしいことも、辛いことも分かち合ってきた。得点圏に背負った初回無死一、二塁。初めてのピンチでマウンドに向かった長戸路哲星(ながとろ・てっせい)捕手(3年)が「1点までだったら、俺がかえす。1つ、1つアウトを取ろう」と励ますと、綿貫瑛斗投手(3年)は「キャッチャーとして彼なりの落ち着かせ方だなぁ」と一息吐いた。小学校から一緒にプレーしてきたからこそ分かる。2人にとって大切な時間だった。
私学勢の壁は高かった。5回コールド負けに、長戸路は「終わりですかぁ…」と言葉を絞り出した。「本当に瑛斗君やチームのみんなに支えられ、ここまでこれた」と目にいっぱい涙をためながら語る主将を横に、普段は口下手な綿貫も「めんどくさい自分を支えてくれてありがとう」と感謝を述べた。熱戦を終え、船で10時間かけて帰る。
八丈島唯一の高校は実戦経験が乏しく、公式戦を除いて同世代との対外試合は年に1度の本州遠征だけだ。定期的に開催される島の野球経験者で作る「大人チーム」との対戦で実力を磨いてきた。
長戸路は「お世話になった地域の人たちの恩は忘れません。これからは自分が応援する番」とかみしめ、綿貫は「自分は大学に行って、野球にまたチャレンジしたい。島の選手だからこそできることはあると思う」と力を込めた。気になる志望校は「決まっているんですけど、恥ずかしいから(今は言わない)…」とらしさも見えた。それぞれの道を歩む2人との再会が楽しみでならない。【平山連】