【高校野球】富山に怪物!高岡第一・前田侑大が左腕で156キロ球場表示 自己最速5キロ更新

富山工戦で最速156キロをマークした高岡第一・前田侑大(朝日新聞)

<高校野球富山大会:高岡第一7-0富山工>◇11日◇2回戦◇高岡西部総合公園野球場

富山に怪物が現れた。高岡第一(富山)のエース左腕、前田侑大(ゆうと)投手(3年)が富山工戦に先発し、7回1安打14奪三振の快投でチームのコールド勝ちに貢献。自慢の直球は春先の自己最速を5キロ更新し、横浜(神奈川)織田翔希投手や山梨学院・菰田陽生(ともに3年)ら同世代の本格派をしのぐ最速156キロをマーク。今秋のドラフト候補左腕が、45年ぶりの夏の甲子園出場に向けて初戦から本領発揮した。

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球場表示の球速が非凡さを示した。1回1死。カウント2-2から、高岡第一エース前田が右打者の竹内大悟内野手(3年)に対して決めにいった内角低めの直球が「156キロ」を計測した。テレビ解説者も笑うしかない。度肝を抜く剛速球は球場全体にとどまらず、一気にSNSで拡散した。切り抜き動画が既に170万回再生され「NPBでも中継ぎ即戦力だろ」「156キロ左腕はもう(ドラフト)1位なんよ」と絶賛の嵐だ。

富山工の打者たちはタイミングが合わず、次々とバットが空を切る。7回も150キロ超えのスピードボールをマークし、わずか1安打完封。毎回の14奪三振と相手打線を力で封じ込めた。ベンチで見守っていた村本忠秀監督(61)は「ここのところずっと調子が良くて、練習試合でも152、153キロは出ていましたからね。しっかりと大会に合わせてきましたね」と目を細めた。

決してエリート街道をたどっていたわけではない。村本監督によると、前田は中学時代、軟式でエースをつかめず、当時のレギュラーポジションは一塁手だった。ところがキャッチボールを行う姿に既に大器の片鱗(へんりん)を感じたという。「腕の振り方が素晴らしく、体を柔らかく使いながらビシッとしたボールが届く。今思えば(NTT西日本時代に指導した)岸田(現オリックス監督)と重なるところがあった」と振り返る。

期待を受けた前田は1年時から頭角を現すが、2年夏の富山大会3回戦で未来富山エース江藤蓮投手(現上武大1年)に投げ負けたことが大きな分岐点になった。「このままではいいピッチャーで終わっちゃうぞ」という指揮官の指摘は、結果が伴ってこそ真のエースと前田を戒めた。

高岡第一は81年以来、夏の甲子園出場をつかめていない。当時選手として聖地を踏んだ村本監督にとっても、この夏にかける思いは強い。「こんなチャンスはない」。高校生離れした本格サウスポーとともに45年ぶりの聖地行きを狙う。【平山連】

◆高校生の球速 甲子園では01年夏の寺原隼人(日南学園)が大リーグスカウトのスピードガンで158キロを計測し、球場表示の最速は07年夏の佐藤由規(仙台育英)、13年夏の安楽智大(済美)、25年春夏の石垣元気(健大高崎)が出した155キロ。甲子園球場以外では、19年佐々木朗希(大船渡)がU18の合宿(奈良県内)で163キロ。12年大谷翔平(花巻東)は岩手大会準決勝の一関学院戦で160キロを出している。左投手の甲子園球場表示最速は09年夏の菊池雄星(花巻東)が出した154キロ。スカウト計測では05年夏の辻内崇伸(大阪桐蔭)が156キロだった(球場表示152キロ)。地方大会の主な左腕では16年夏の古谷優人(江陵)が旭川西戦で154キロ、同年の高橋昂也(花咲徳栄)が春日部共栄戦で152キロを計測している。

◆前田侑大(まえだ・ゆうと)2009年(平21)1月23日生まれ、富山県高岡市出身。ビッグファイトボーイズ-南星中軟式野球部を経て、高岡第一に進学。1年時からベンチ入りを果たし、2年秋からエース。今春のU18日本代表候補の強化合宿メンバーにも選ばれた。最速156キロの直球に加え、スライダー、カーブ、チェンジアップなどの変化球を持つ。173センチ、70キロ。左投げ左打ち。