【高校野球】大島、唯一の3年生・白井三十晴が2度盗塁刺した 4年ぶり単独出場で有終/東東京

雪谷戦で笑顔でマウンドに集まる大島の選手たち(撮影・栗林真菜)

<高校野球東東京大会:大島1-17雪谷>◇12日◇2回戦◇神宮

初戦で16点差の大敗にも、白井三十晴捕手(3年)の表情は晴れやかだった。1年生の夏からただ1人の野球部員として歩み続け、1年生が加わった今夏、ようやくかなえた「単独出場」の夢。「最後は単独出場で終わることが自分の目標であり夢でした。本当に出させてくれてありがとうという気持ちでいっぱいです」。敗戦直後、感謝を何度も言葉にした。

1年夏、3年生の清水怜央さんが引退すると、1人だけの部員になった。キャッチボールの相手もいない日々。「辞めたい」と思ったこともあった。それでも歩みを止めなかったのは、支えてくれる存在がいたからだ。

引退後も先輩の清水さんは練習に足を運び、毎日のようにティー打撃やランニングをともにした。「お前ももう一回頑張れよ」。その一言に背中を押され、続けることを決意した。

2年春には腰を痛め、再び野球を辞めることを考えた。その頃に赴任した藤田要監督(37)は、白井を決して1人にしなかった。打撃投手を務め、ノックを打ち、坂道ダッシュまで同じメニューをこなすなど、マンツーマンで寄り添い続けた。「高校だったらありえないと思うんですけど、僕と同じメニューをずっとやってくれた。必ず誰かと競い合える環境をつくってくれた。本当に感謝しています」と振り返る。藤田監督も「この1年生たちを本当によく引っ張ってくれた。最後は白井に託そうと思った。マウンドでも気迫あふれる投球で、本当に頼もしかった」と、唯一の3年生をたたえた。

今年4月、新入生9人が入部し、4年ぶりの単独チームが誕生した。「練習にあれだけ人数がいるのは初めてでした。本当に毎日が楽しくて、まだ終わりたくなかった」と白井。今試合では捕手として2度盗塁を阻止し、試合終盤にはマウンドにも上がって1イニングを投げ切った。

スタンドには島から駆け付けた応援団や吹奏楽部の演奏が響き、「島の方々には感謝でしかない」と笑顔を見せた。藤田監督は、吹奏楽部の応援を大会直前まで選手たちへのサプライズにしており、「島からたくさんの方が応援に来てくれた。」と思いを口にした。

「来年以降はもっと上を目指して頑張ってほしい」。孤独だった3年間は、1人で戦った3年間ではなかった。敗戦の先に残ったのは、仲間や支えてくれた人たちへの感謝の言葉だった。【栗林真菜】

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