【高校野球】日本ウェルネス宮城・金成大樹、適時三塁打から逆転のホームイン 鍛えられた人間力

築館対日本ウェルネス宮城 8回、ホームに滑り込む日本ウェルネス宮城・金成大樹(撮影・木村有優)

<高校野球宮城大会:築館4-5日本ウェルネス宮城>◇12日◇1回戦◇石巻市民球場

鮮やかな逆転劇だった。日本ウェルネス宮城が築館を破り、白星発進を切った。2点を追う8回、2死から一、三塁の好機をつくり、8番・金成大樹外野手(2年)が右翼方向へ同点の適時三塁打。さらに、守備ミスの間に一気に逆転のホームへと滑り込んだ。昨年8月に就任した元プロの野林大樹監督(56)が鍛え上げた人間力が、逆転勝利を生み出した。

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真っ黒になったユニホームは勝利を信じ続けた証しだ。劣勢のまま迎えた8回。2死一、三塁の好機で、ここまで2安打の金成に打席が回る。野林監督から「いつも通りやれば大丈夫だから」と背中を押された。

「もうやるしかない」。狙っていた直球を捉え、右翼方向へ運んだ。三塁コーチャーは大きく腕を回していた。迷わず三塁を蹴り、最後は逆転のホームに渾身(こんしん)のヘッドスライディング。仲間と思いっきり抱き合った。

昨年8月、チームは大きな変革期を迎えた。野林監督が就任後、初めの数日は寮の掃除やグラウンド整備が続いた。グラブとバットを置き、掃除用具を握る日々だった。同監督はあいさつや礼儀など、基本的な所作も教え込んだ。さらに、学校を飛び出し、ゴミ拾いなどの地域貢献にも積極的に取り組ませた。「アマチュア野球では人間性が出ますし、これから生きていくうえで大事なことなので」と“野林イズム″を徐々に浸透させた。

就任から間もなく1年。初めての夏は逆転劇でスタートを切った。この勝利は実力だけではない。「あっさりいかず、粘り強くなりました」と指揮官。「1年間、やり続けてきた人間性が上がってきた証拠だと思います」とうなずいた。

勝利の瞬間、金成は大きなガッツポーズを見せた。1年前、変わりゆく環境に耐えかねる部員もいた。金成も「全て変わったので、正直逃げ出したいこともありました」と当時の心境を吐露。それでも、「自分が決めたことだから、最後までやりきるしかない」と踏ん張り、「監督さんを信じて頑張ってきました」とこの夏を迎えた。まだまだ、始まったばかり。新生・日本ウェルネス宮城を知らしめる。【木村有優】

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