<高校野球山形大会:日大山形5-2山形中央>◇19日◇準々決勝◇ヤマリョースタジアム山形
敗退チームのドラマにスポットを当てる「胸張ってイイじゃん」を随時掲載し球児たちの奮闘に迫ります。
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心の準備はできていた。
6回、山形中央先発の渡辺庸平投手(2年)が先頭打者に2球を投げたところで右足がつり、無念の降板。2番手で登板した奥山卯月投手(3年)は、心の中で感謝を繰り返した。庸平が頑張ってくれたから、俺はまたマウンドで投げられる-。
春に脱臼した右ひじの骨が神経を刺激し、投げられなくなった。5月に手術を行い、夏の登板を目指して走り込みやウエートトレーニングなどのリハビリが続いた。単調な日常の中、仲間の手紙や周りの声が、奥山の心をつなぎとめた。「本当に支えてくれる、家族のような存在でした」。復帰間もない右腕が、背番号「1」を託された。チームの総意だった。
自分のひじがどうなってもいい-。背水の覚悟で挑んだ第1シード相手の一戦は、本調子とは程遠い投球だった。6、7回は粘り無失点に抑えたが、8回に3本の長短打を浴び3失点。力尽きた。三塁側スタンドにあいさつした直後、崩れ落ちたエースは「夏に投げられ、みんなには感謝しかないです。これから恩返しをしていきたい」。不屈の右腕は、目を真っ赤にはらしながら誓った。【田口元義】