【高校野球】郁文館が創部136年目で初の4強入り逃す 帝京追い詰めるもあと1歩及ばず/東東京

郁文館対帝京 帝京に敗れ肩を落とす郁文館の選手たち(撮影・垰建太)

<高校野球東東京大会:郁文館8-11帝京>◇23日◇準々決勝◇神宮

郁文館が帝京にあと1歩及ばず、創部136年目で初の4強入りを逃した。

狭いストライクゾーンの中、序盤から低めのボールを見極め、浮いた球を的確に捉える理想的な展開で試合を優位に進めた。

先発マウンドを託されたのは中村俐穏投手(3年)。佐々木力監督(59)が「このゾーンで投げきれるのは中村しかいない」と送り出された右腕だ。炎天下で、120キロ超の直球とスライダーを丁寧にコースに投げ分けた。だが、7-8で迎えた8回裏。147球目のスライダーを帝京・目代に左翼席へ運ばれた。「コントロールミスが命取りになると思ったが、スライダーが甘く入ってしまった。限界だった」と振り返った。

佐々木監督は「よく頑張ってくれた。中村のスライダーを打たれたなら、これはもうしょうがない。相手のバッターが上でした」とかばった。

かつて常総学院で春夏通算6度も甲子園に導いた名将は、24年に郁文館の監督に就任した。「最初の1年目はつらかった。キャッチボールもできない、打球も追わないチームだった」と振り返る。そのチームを変えたのが主将を務める高野竜輔捕手(3年)だった。茨城県つくば市出身だが、「佐々木監督の下で野球がしたい」と同校の門をたたいた。昨年までは自分の打撃ばかりを気にしていたというが、この夏を前にチームバッティングや配球の共有を徹底できる「ザ・キャプテン」へと成長した。

この日もマウンドの中村を巧みにリードし、ミスをした下級生には「次に取り返すチャンスがあるから」と声をかけ続け、精神的支柱としてチームを引っ張り続けた。佐々木監督は「試合中の配球はほとんど高野に任せていた」と、成長ぶりに目を細めた。

学校創立136年目で初のベスト8入りした。22日の終業式では全校生徒の前でユニホーム姿の部員たちが勝利を宣言し、学校全体が一丸となって夢を追った。悲願の4強には届かなかったが、大きな1歩となった。佐々木監督は「この夏の悔しさを知るメンバーが12人もベンチに残っている。2年後にはなんとしても甲子園に行きたい」と力を込めた。

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