【高校野球】昨夏とは状況違った日大三「あのセンター前だけでした」田中諒主将/西東京

創価対日大三 初回、1死二塁から左前適時打を放つ日大三・田中諒(撮影・田島優大)

<高校野球西東京大会:創価7-4日大三>◇24日◇準決勝◇神宮球場

敗退チームのドラマにスポットを当てる「胸張ってイイじゃん」を随時掲載し球児たちの奮闘に迫ります。

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試合直後、日大三(西東京)田中諒内野手(3年)は冷静だった。それが、ロッカー室で敗戦後のミーティングを終え、最初に扉を開け出てくると、180センチ100キロの巨体を震わせ激しく泣いた。通路にその低い泣き声が響く。帽子を目深にかぶり球場を後にした。

2月、部員のSNS不適切使用により、野球部は大混乱した。主将として春へ練習を本格化する時期に活動休止。自宅待機中にバットを振った。自分たちが原因をつくった後悔をかみしめ振ったが、昨夏とはどこかが違った。

大会直前、手の平を見ながら「これじゃだめなんです」と顔が曇った。左手のグリップがあたる部分のマメが物足りない。「去年の夏は、このマメが全部めくれて、その下から硬いマメができたんですが…」。

もちろん、スイングの量が足りない。しかし、仲間と競って鍛えてきた田中には、自宅でのスイングでは鍛えられないものがあった。今夏6試合で、本来のスイングは1度。初戦、翔陽戦での第3打席、中前に火を吹く打球。「あのセンター前だけでした」。

4回戦後に「何を狙えばいいのか、迷いがあります」と言った。ただ野球にだけ集中すれば良かった昨夏とはまるで違う。それは高3の主将には厳しい現実だった。本来の無心のスイングは、プロ入りを目指す先のステージに持ち越しとなった。【井上真】

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