<高校野球兵庫大会:社3-2明石商>◇26日◇決勝◇ほっともっとフィールド神戸
劇的な逆転Vの瞬間、社ナインは喜びを爆発させてマウンドに駆け寄った。23年の再現となった決勝カードは再び、社に軍配が上がった。
「やっぱり僕が決めないといけない」。4番が一振りで決めた。1点ビハインドの8回1死一塁、小倉臣斗外野手(3年)が左翼へ値千金の逆転2ラン。「確信です。気持ち良かった」と最高の仕事をした。
エースへの感謝の一打ともなった。決勝前まで28回2/3、計388球を投げ無失点の岩井秀耶投手(3年)が、痛めていた左臀部(でんぶ)の悪化により6回途中で降板。小倉は「岩井がすごい頑張ってくれた。すごい喜んでくれたので良かった」と晴れやかだった。
試合は0-0の5回に今大会5試合で零封するなど、ここまで1失点のみの守りのチームが、初めて先制を許し追いかける展開だった。しかし「常に負けているイメージもしていた。逆転されても、勝っていても、常に自分たちは前へ進んでいく気持ちでやっていた」と全員が自分を、そしてチームを信じて戦ったからこその逆転Vとなった。
兵庫149チームの代表として、地元甲子園に乗り込む。社から甲子園は、同校OBで山本巧監督(54)と同期の父から託された夢でもあった。小倉が小学校で野球を始めると、父とは自然と社の会話になる。22年夏から3季連続出場を果たした社野球に魅力を感じた。父は甲子園出場はかなわなかったが、大会前「悔いないように思いっきりやってこい」と送り出してくれた。「最高の舞台。思いっきりやっていきたい」と躍動を誓う。【佐藤妙月】
◆社 1913年(大2)に小野実科高等女学校として創立の公立校。48年から現校名。生活科学科、体育科、普通科で生徒数は685人(女子374人)。野球部は49年創部で部員数59人(女子マネジャー6人)。甲子園出場は春2度で夏3度目。主な卒業生は阪神近本光司、楽天辰己涼介ら。兵庫県加東市木梨1356の1。橋本智稔校長。