<高校野球静岡大会:聖隷クリストファー4-2常葉大菊川>◇27日◇決勝◇しずてつスタジアム草薙
聖隷クリストファー(静岡)が常葉大菊川を4-2で下し、2年連続2度目の甲子園出場を手にした。最速150キロのエース高部陸(3年)は、9回5安打10奪三振の2失点完投。プロ注目左腕が、期待どおりの活躍で優勝の立役者となった。
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最高の光景が目の前に広がった。4点リードで迎えた9回。聖隷クリストファーの高部は2点を失いながらも、あとアウト1つまできた。相棒の筧優亨捕手(3年)とサインを交わし、投じたラスト1球。「最後はこれで決める」と、145キロの高め直球で空振り三振に仕留めた。
初優勝した昨年の決着は二ゴロ。一塁ベースカバーで歓喜の輪に遅れた。「今年は三振で」。決勝前に思い描いたシナリオ通り、マウンドでその時を迎えた。「みんなが自分のところに来てくれるのが見えて『優勝したんだ』と実感できた」。次々と駆け寄る仲間を笑顔で迎え入れた。
勝てば甲子園の頂上決戦。出し惜しみはしなかった。「打者1人、1人に全力でいった」。左打者が6人の相手打線に対し、外角を効果的に突いた。最速タイの150キロを記録した直球を軸に7回までは散発2安打と二塁すら踏ませず。反撃にあった終盤も踏ん張り、89球で試合を締めた。
1年夏のデビューから、常に静岡高校野球の中心に立ってきた。ライバルは「打倒高部」を掲げた。それでも「自分を倒しに来ることがモチベーションになった。そこに対抗するためにやってきた」。春以降、練習試合前にもポール間ダッシュ10本を行うなど最後まで夏への準備を徹底した。今大会は6試合で36回2/3を投げ、わずか4失点。包囲網の上をいった。
春夏通じて初めて立った昨夏の甲子園は、2回戦で敗れた。4月に候補強化合宿に参加したU18日本代表入りも視野に入れる左腕は「去年とはスタミナも制球も違う。1つでも多く勝って恩返しがしたい。活躍して侍ジャパンにも選ばれたい」と目を輝かせた。最後の夏。目指す場所は、まだ先にある。【前田和哉】
◆高部陸(たかべ・りく)2009年(平21)1月5日生まれ、埼玉県出身。小1から根住少年野球で競技を始め、中学は武蔵嵐山ボーイズ。左投げ左打ち。家族は両親と姉2人。175センチ、74キロ。血液型O。