<高校野球和歌山大会:智弁和歌山4-3耐久>◇27日◇決勝◇紀三井寺公園野球場
智弁和歌山が4番の一振りで耐久を競り落とし、夏の大会3連覇となる29度目の優勝を果たした。
同点の8回2死一塁。4番山田凜虎捕手(3年=U18日本代表候補)が初球を左前打。相手遊撃手の失策が絡み、一塁走者が本塁に長駆生還した。
塁上で体をかがめながら、両手で拳をつくり最大限に喜びを表現した。「ほっとしました。結果につながってよかったです!」。優勝後、観客席の少年からの黄色い声援を受けた。「山田くん!山田く~ん!甲子園で優勝してください」と祝福され、世代屈指の捕手は、サムズアップのポーズで応答した。
大会前の6月30日、主将・松本虎太郎外野手(3年)が腰のヘルニア手術を受け、主将を欠いて3連覇への道が始まるところだった。急ピッチでリハビリメニューをこなし、主将は13日の初戦に間に合った。攻守の要・4番山田を軸に戦い「虎太郎を打席に」が合言葉になった。
「虎太郎がいないとどうなるんだろう」。そんな一抹の不安もあった山田。早期復帰を目指した松本も強度を上げたメニューをこなし「どう転ぶかわからない」賭けに出た。
「凜虎はこの1年間、グラウンドでもベンチでも一緒に引っ張ってきてくれた」と主将。仲間の思いに応えたく、予定の2、3カ月を上回る約3週間後の25日の準決勝・和歌山工戦で実戦復帰を果たし、初打席初安打を記録した。
松本は1年夏に初聖地、山田は松本と25年のセンバツで準優勝。甲子園で勝った経験のある2人だ。最後の聖地へ「一戦でも長い夏に」と声をそろえた。
中谷仁監督(47)は、「彼が打線にいる、いないで空気が変わります」。頼もしさを示し「甲子園はベストメンバーで!」と“完全体”で聖地に乗り込む。【中島麗】