【高校野球】父の前で決めた甲子園 3世代プロ目指す履正社辻竜乃介主将の変化/大阪

優勝を決め喜ぶ、左から父・辻竜太郎、竜乃介、母・洋美(撮影・石井愛子)

<高校野球大阪大会:履正社16-2箕面学園>◇28日◇決勝◇大阪シティ信用金庫スタジアム

28日に6地区での地方大会決勝が行われ、夏の甲子園に出場する全49代表校が決定した。大阪大会決勝では、履正社が3年ぶり6度目の優勝。初決勝で甲子園を狙った箕面学園を16-2で下した。連日の雨天で順延が続いていた宮城では仙台育英が東北を破り2年連続32回目の甲子園出場を決めた。第108回全国高校野球選手権大会は8月5日に開幕し、順調に日程が消化されれば、22日に決勝が行われる。

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最後の夏で、“親子聖地”の実現だ。3世代プロを目指す4番で主将の辻竜乃介内野手(3年)が、2安打2打点の活躍。今年初めてスタンドへ応援に駆けつけた父の辻竜太郎西武2軍野手チーフコーチ(50)の前で決めてみせた。

父は闘志を出していく性格だったが、竜乃介は小さい頃から「あまり焦らない、落ち着いて冷静なタイプ」の子どもだった。それがいまや強豪の主将。父は当初「キャプテンには向いていないかな」と思っていたという。だが選ばれると「ここの1年間で変わりましたね。ちょっと責任感というのが出てきた」と成長を感じた。竜乃介自身もマイペースな自覚はある。だからこそ「良くも悪くも影響する。のんびりしててもみんなに示しがつかないし、ダラダラしてたらチームに一番、本当に影響出る」と周囲の目がある学校生活でも自分を律し、グラウンド立ったら率先して声を出すなど、徹底して行動で示すようになった。

1、2年生では届かなかった甲子園への切符。父は松商学園時代の1、2年生で甲子園の土を踏んでおり2世代での聖地だ。父は「チームメートを連れていくっていう意味では、自分はやっぱり3年生のときに行きたかったですし、3年生の最後で行けるっていうのはすごくいいな」と高校最後の夏に対する特別感を口にした。

また、甲子園は今は亡き祖父への最後の誓いでもあった。元中日外野手の哲也さんは24年に75歳で死去。その際に竜乃介は「甲子園に行ってプロ野球選手になって、おじいちゃんの立った舞台に立ってやるぞ」と宣言していた。ラストチャンスで約束を果たした。

優勝インタビューで「甲子園でも優勝旗を持って帰ってこれるように頑張りたいと思います」と誓った息子。父は「そういう気持ちでみんなと楽しんで本当に甲子園で大暴れしてほしい」とさらなる活躍を願った。【佐藤妙月】

○…辻のしっかりとした大きな体は、母の洋美さんの食育のたまものだ。父の竜太郎さんが現役時代から独学で栄養について知識を増やし、食事を作っていた影響で息子にも作るように。小食な息子に、泣きながら食べさせたこともあった。意識するのは量とバランス。タンパク質なども計算し、出す料理の成分表を見せてなぜ食べるべきかを納得させた。竜乃介が「一番おいしい」と好物のハンバーグがメインの日には、それに目玉焼きを3つ。そして具だくさんのみそ汁にサラダ、納豆ごはん。力強いスイングは、母の愛情と栄養たっぷり飯が生んでいる。

▽履正社・多田晃監督(辻の主将ぶりについて)「秋、負けた時に一番悔しい思いしたんが辻。そこからチームも変えていかないといけない、引っ張っていかないといけないということで、辻とはよく話もしました。冬やこの大阪大会でも自覚を持って辻が取り組んでくれた。そういった責任感がこの大阪大会の最後に出たのでは」