日本高野連は31日、大阪市内で理事会を開き、「7イニング制諸課題検討会議最終報告書」に関して各地区高校野球連盟への説明と意見交換結果を踏まえた所感を発表した。
説明会は4~6月に担当者が全国の9地区を回って実施され、酷暑対策などを理由に「2028年の第100回記念選抜高等学校野球大会ならびに各都道府県高等学校野球連盟の春季大会から採用することが望ましい」と提言された最終報告書を元に報告した。主な意見は以下の通り。
<主な意見>
▽理事長の立場として、もし採用するのであれば、加盟校指導者に対して「何故7イニングを採用するか」を説明しなければならない。今日の日本高野連から受けた説明、具体的内容を記した資料などが重要になってくる。
▽高校野球は3年間頑張ってきても、トーナメント制のため、1回戦で加盟校の半分の学校約1800校が敗退し、2回戦でさらにその半分の900校が敗退する。生徒達は3年間の練習、努力の積み重ねを最後の夏の大会で発揮したいと思い日々練習に励んでいる。また、指導者もたとえ甲子園には行けなくても、野球を通じて何とか生徒達の成長を促し、毎日毎日様々なことを犠牲にしてでも指導にあたっている。生徒、指導者のことを考えると、2イニング、6つのアウトが減るということ、活躍の場が減ってしまうことは受け入れ難いものがある。
▽「見る・する・支える」全ての高校野球に携わる方々の安全安心という点で7イニング制には賛成の立場である。昨年、観客の方が熱中症により救急搬送される事象が1日に複数回発生した。そのうちの1名は意識朦朧とされていた。大事には至らなかったものの、今思い出しただけでも一歩間違っていればと想像し、背筋が凍る思いである。ただ、加盟校の指導者、選手たちの思いと大会運営を担う連盟側の考えには乖離があるのは事実であり、この意識の差をどのように埋めていくのかが重要。
▽これまでの過程で説明不足という感は否めない。加盟校の中には、7イニング制ありきで物事が進んでいるという印象を持っている指導者が多い。9イニング制を維持するために他にも出来ることがあるはず。
▽県内では行政からの指導がありWBGTの数値で一定以上になれば、野球だけではなく全ての大会を取り止めることになっている。このような背景が影響しているためか、県内理事の中で明確に反対という者はいない。世論を含めて9イニング制の維持ではなく、7イニング制しか許さない状況に今後なっていくと予想している。様々な意見があるかとは思うが、私としては、とにかく熱中症対策の一環として、一刻も早く7イニング制を採用して欲しい。
▽日本高野連の説明を聞いて、本当に細部にわたってよく考えられたうえでの報告書なのだということを感じた。日本高野連からトップダウンでやるということではなく、都道府県連盟、加盟校への説明を尽くすという言葉が印象的であった。3年間必死で頑張ってきてもトーナメント制である高校野球では約4000校のうちの半分の2000校は初戦で敗退する私が理事長の立場となり、大事にしていることは、その初戦で敗退した約2000校の生徒が高校野球をやって良かったと感じ、報われる高校野球にしないといけないという思いは常に持ち続けている。皆で真剣に意見、知恵を出し合うことが大事で最終的に7イニングならいいが、出来ることを全てやっていくという姿勢が大事なのではないか。
▽正直なところ結論として何が正解かわからない。今日、報告書の背景、経緯を耳にしたので、日本高野連が何を考えているのかを加盟校に伝えていかなければならない。これまでは結論としての7イニングのみを加盟校は見ている。
▽どうしても、熱中症対策のために7イニング制を行うという印象が拭い切れない。選抜大会、選手権大会のイニング数を必ずしも、一致させる必要があるのか。
▽7イニングにするには相当な覚悟がいる。高野連の組織は役員が審判に取り組むなど、数年前から盤石な組織作りを行ってきている。7イニングへの移行はもう少し時間を掛けて行うべきではないか。