【甲子園】有明ナイン、大きな拍手に包まれて入場行進、実田聡志主将「地元に勇気を」

開会式で行進する有明の選手たち(撮影・前田充)

<全国高校野球選手権:開会式>◇5日◇甲子園

第108回全国高校野球選手権大会が5日、甲子園球場で開幕した。酷暑対策で午後4時に始まった開会式では全49校が堂々の入場行進。7月28日に震度7の地震に見舞われた熊本県の代表、有明が登場した際にはひときわ大きな拍手が起きた。実田(さねだ)聡志主将(3年)は「多くの方の応援に応えられるように頑張りたい。目標はベスト8」と地元の力になる活躍を誓った。午後5時39分から札幌日大(南北海道)-仙台育英(宮城)の開幕試合がスタート。日程が順調に進めば、22日に決勝戦が行われる。

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大きく、温かな拍手が、熊本から来たナインを包み込んだ。「熊本代表、有明高校!」のアナウンスが甲子園に響き、ナインがグラウンドに登場。スタンドから起きた大きな拍手に、実田主将は「めちゃめちゃうれしかったです。被災された方々のためにも、この甲子園で勝ち抜きたいなと思います」と、甲子園の歓迎に感謝した。

7月28日に熊本県を襲った大地震。当時、有明ナインは練習に励んでいた。「自主練でバッティングしていました。外にいるときは揺れた感じはしなかったけど、テレビで見て被害を知りました」と地震発生当時を振り返った。

実田は10年前に熊本を襲った地震で被災。阿蘇郡西原村の自宅は半壊し、住める状態ではなくなった。家族で避難所で3カ月過ごし、そこから車中泊などを経て仮設住宅に移り住んだ。当時、小学2年。翌年から野球を始めた。「小さいときから野球が好きでした。自分が通う小学校はグラウンドが使えなくなって(野球を始めるのは)遅くなったというのはあります」。日常が大きく変わる中、変わらなかったのは野球への、甲子園への思い。「野球やってればだれでもあこがれる舞台。ずっと甲子園に行きたいと思ってました」。3年間仮設住宅で暮らし、その後再建された自宅に戻って野球を続けた。そしてこの夏、夢をかなえた。

心弾ませた夏の景色が、地元では一変した。酷暑の中、水、電気といった支えを失いながらも、県民は懸命に前を向いて日常生活を取り戻そうと努力を続けている。甲子園の自分たちは、持てる力を振り絞るだけ。「自分たちが持っている力以上のものがでると思うのでそこを楽しみにしてやっていきたいと思います」。初戦は7日の立命館宇治(京都)戦。力の限りのプレーを、甲子園で見せる。【堀まどか】

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