【甲子園】遊学館・谷島敦希 亡き母とともに戦った甲子園 願い届いたタイムリー

遊学館対青森山田 7回表遊学館2死一、二塁、谷島敦希は適時打を放つ(撮影・石井愛子)

<全国高校野球選手権:青森山田6-5遊学館>◇8日◇1回戦◇甲子園

敗退チームのドラマにスポットを当てる「胸張ってイイじゃん」を随時掲載し球児らの奮闘に迫ります。

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11年ぶり7度目出場の遊学館(石川)は接戦に持ち込んだが初戦で敗れた。

1点ビハインドで迎えた9回、2死一塁。打席に向かう遊学館・谷島敦希内野手(3年)は、大きく深呼吸をして空を見上げた。「お母さん、力を貸してください」。カウント2ストライクからの真っすぐを右前に運び好機を広げた。「お母さん、ありがとう」。送球間に進んだ二塁上で再び天を見上げた。7回には2死一、二塁から右前適時打。2安打1打点の活躍を見せた。

母とともに戦った約1年半だった。昨年5月に母が病気で他界。野球を始めた頃から一番に応援してくれたのが母だった。涙の顔を上げ野球に没頭した。昨秋、足の肉離れでベンチ入りを逃しても諦めない。お母さんに甲子園でプレーをする姿を見せたい。思いはひとつだった。地道に練習を重ね、今夏は4番をつかんだ。中川光雄監督(48)は「お母さんが亡くなられてからの練習はすごかった。努力でつかんだ4番ですよ」と目を細めた。

11年ぶりの甲子園勝利へあと1歩まで迫った。悔しい敗戦にも谷島は最後まで笑顔だった。「お母さんもすごく笑顔あふれる優しい人だった。僕も自然と笑顔になった。お母さんのおかげで、ここまでプレーができました」。母とともに戦った甲子園。再び笑顔で空を見上げた。【保坂淑子】