<全国高校野球選手権:日南学園2-1明徳義塾>◇10日◇1回戦◇甲子園
サヨナラの瞬間、日南学園の三塁側アルプスが湧き上がった。9回2死から連打で一、二塁を作り、打席には2番豊丸蒼大内野手(2年)。1ボールから「変化球投手だと分かっていたので狙っていました」と甘く入ったスライダーを捉えた。打球は遊撃手のグラブをかすめ、ボールが転がる間に二塁から鈴木貴翔外野手(3年)が一気に生還。「抜けたのが分かった瞬間、頭が真っ白になりました。鈴木さんがなんとかホームにかえってくれて良かったです」と喜びをかみしめた。
豊丸の父武士(たけし)さん(45)は都城(宮崎)で99年夏の甲子園に出場。3回戦まで進み、安打も放った。豊丸は「父から『甲子園に出たら人生が変わるぞ』と言われていたので、同じ舞台に立てて良かったです」と笑顔をみせた。中学時代、普段の会話が少なくなっていたが、高校進学時に向き合った。会話を重ねた末、父と同じ宮崎で甲子園を目指すことを決意。父からは「甲子園に出ないと意味ないぞ」と背中を押され、努力を重ねてきた。
アルプスから見守った武士さんは「正直得点圏で回ってきたときは吐きそうで。緊張でやめてくれと思っていました」と打ち明けた。「まだ実感が沸いていないですけど、3年生のためにも努力してきて良かったなと思います」と息子の一打に興奮気味。親子2代でつないだ甲子園1勝は、宮崎県勢の令和初勝利にもなった。【田島優大】
日南学園・金川豪一郎監督(49、県勢の令和初勝利に)「出場するたびに背負わなきゃいけない問題なので、言葉は悪いかも知れないですけど、早く呪縛から解き放たれて良かったんじゃないかなと思います」