【ナベQ論】横浜・織田翔希は「大人なピッチング」タイプは違うが松坂大輔と双璧

横浜対沖縄尚学 力投する横浜エース織田翔希(撮影・上山淳一)

<全国高校野球選手権:横浜7-2沖縄尚学>◇10日◇1回戦◇甲子園

日刊スポーツ客員評論家の渡辺久信氏(61)が今大会屈指の好投手、横浜の157キロ右腕、織田翔希投手(3年)をチェック。おなじみ「ナベQ論」で分析します。

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織田君の今日のピッチングはちょっと「意外」に映った人も多かったんじゃないかな。神奈川大会で157キロを出して話題になっていたから、ストレートでガンガン押していくのかなと思いきや、最速は154キロ。変化球を巧みに織り交ぜて、かなり丁寧に組み立てていたよね。

ひと言で言えば、すごく「大人なピッチング」をしていた。本人も言っていたみたいだけど、初戦という難しさもある中で無理にスピードを追いかけず、相手の狙いを察知して変化球中心に切り替えた。相手は完全に真っすぐに照準を合わせてきていたからね。その裏をスッとかくあたり、状況をよく見ている。

フォームにしても、投球に入る時に足を踏み直すような動きを入れたり、クイック気味に投げたり、フォーム自体で緩急をつけていた。あれこれ自分で試行錯誤してたどり着いたんだろう。マウンド上で「自分で考えて投げている」のがよく伝わってくる。

この1年での成長は本当にすごいよ。春に気になったグラブの使い方も修正できている。球の握りが打者に見えちゃうくらい右手を離すのが早く、離した右手がいったん下に下がっていたけど、そのあたりの課題も修正していた。何より勝つために今何が必要かを自分で判断できる。正直、僕の高校時代と比べたら全く比べ物にならないくらいレベルが高いよ(笑い)。

横浜の右腕だからどうしても松坂大輔と比べられるけど、大輔はトルクと馬力で圧倒するタイプ。対する織田君は、しなやかさとクレバーさが売りだね。タイプこそ違うけれど、持っているポテンシャルの高さやマウンドでの圧倒的な存在感という意味では、まさに「大輔と双璧」と言っていい。

139球投げて12個も三振を取っているのに、投げ終わった後にまだどこか余力を残している感じがするのも恐ろしいところ。スカウト陣だって速い球が投げられることくらい知っているわけだから、今日みたいに引き出しの多さを見せられたのは、プロ目線でもかなり評価が高いはずだよ。この大会を通して、まだまだ伸びていくんじゃないかな。次戦以降も楽しみですよ。(日刊スポーツ客員評論家)

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