<全国高校野球選手権:横浜7-2沖縄尚学>◇10日◇1回戦◇甲子園
横浜(神奈川)のドラフト上位候補、最速157キロ右腕、織田翔希投手(3年)の“大怪物”を目指す夏の戦いが始まった。昨夏の王者・沖縄尚学と1回戦で激突。相手のエース、末吉良丞投手(3年)との投げ合いに1歩も引かず。球場表示で最速154キロの速球にキレのある変化球を自在に操り、8回2/3を投げ6安打2失点で12奪三振。「負けない投球」で圧倒した。松坂大輔(元西武)を擁した98年以来28年ぶりとなる夏の全国制覇へ好発進した。
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沖縄尚学の最初の打者をスライダーで空振り三振に仕留めると、織田はマウンドで頬を緩めた。神奈川大会ではめったに見せなかった笑顔が、甲子園ではじけた。「野手のみんなが守ってくれて。攻撃でもリードを広げてくれた。安心して投げることができましたし、投げててすごく楽しかったです」。お立ち台でも笑みを浮かべた。
楽しそうに、いろいろな変化球を操った。「速球対策をされている中で、どこで変化球を使うか。三振の数もそこにつながったと思います」。キレのいいスライダー、カーブにフォークで奪った三振は12。スカウトのガンで最速155キロを計測しても気にならない。「球速よりも、変化球で空振りを取れたことがうれしい。コースをしっかりと突いて、バッターを見ながら配球できたことが一番の要因です」。いけるところまで、という先発プランも「全然いけます!」とベンチで村田浩明監督(40)に伝え、大観衆の前で自分の投球を披露した。
エースとして「負けない投球」を追求した。昨秋、関東大会準々決勝で敗れると、冬の間は投球の幅を広げるために、SNSでプロ野球選手の投球を見て学んだ。フォークは中日中西。カットボールは横浜の先輩でもある中日涌井。練習を重ね、自分のものにした。力感のないフォームで精度を増した変化球を、楽しみながら操った。「いい意味で遊び心をもってマウンドに立てています」。打線を見ながら、時にモーションを変える余裕さえ生まれた。
村田監督は「本当によく投げてくれた。織田が笑顔でいれば、選手もスタッフもスタンドも笑顔になってくれる」と、エースの成長に目を細める。今夏、チームが掲げた「ヒマワリのような笑顔」。織田の笑顔は、横浜の象徴になった。【保坂淑子】
◆織田が7勝目 織田が甲子園通算7勝目。横浜の投手では98年春夏連覇の松坂大輔がマークした11勝に次ぎ、2位の愛甲猛に並んだ。