<全国高校野球選手権:仙台育英1-0花咲徳栄>◇12日◇2回戦◇甲子園
日刊スポーツ客員評論家の渡辺久信氏(61)が、花咲徳栄(埼玉)の黒川凌大投手(3年)の完投&ワインドアップの投球をチェック。49代表の初戦を終えての注目選手とともに「ナベQ論」でお届けします。
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黒川君、実は埼玉大会の決勝でも見たよ。振りかぶる、いわゆるワインドアップの投手は最近では珍しいね。グラブの位置とか角度とか手首の感じとか、クセが出やすくて研究されるから、プロ野球だとワインドアップで投げる投手が減った。プロ野球でワインドアップが減ったから、子どもたちもワインドアップが減ったのはあると思う。
純粋にコントロールの問題もある。上下運動で余分な動きが増えるから、その分、目線もずれやすい。最近では体が大きく、手足の長い投手も増えたけど、それで振りかぶるとうまく手足を扱えないというのもある。だから腕をたたんだショートアームが増えた。
一方でやっぱりワインドアップだと球の勢いは付くよ。今日の黒川君も球威を感じたね。特に初回は。迫力があるし、一生懸命投げているのも好印象だった。スライダーも質がいいよね。全力で腕を振ってくるからスライダーでも空振りを取れる。
あとは間を外すカーブがほしいかな。ワインドアップも珍しいけど、これまたいまどき珍しい完投が多い投手と聞く。だからこそこの先のレベルでも完投していくなら、やっぱり緩急は必要だね。自分の高校時代はペース配分とか全く考えずに「大丈夫、大丈夫」って連日完投してたけど、個人差あるしね。緩急があれば投手としてのレベルももっと上がると思う。
全校の試合はチェックできなかったけれど、全体的に細い選手が多い印象だった。その中でも横浜の織田君は別格。1人だけ抜けてる。聖隷クリストファーの高部君も体幹強くてバネがある。高めがいい。もしプロ志望なら、1位指名でもいいかもしれない投手。古城君の息子(大翔、花巻東)や辻君の息子(竜乃介、履正社)もパワーは買えるね。本当に速い球にどう対応していけるかが今後のカギになるかな。(日刊スポーツ客員評論家)