【甲子園】活躍“世界遺産”級「富岡製糸場」近く生まれの健大高崎の群馬っ子、佐藤麻恩が投打活躍

東海大甲府対高崎健康福祉大高崎 東海大甲府戦に先発する高崎健康福祉大高崎の佐藤麻恩(撮影・加藤哉)

<全国高校野球選手権:健大高崎1-0東海大甲府>◇13日◇2回戦◇甲子園

その活躍はまさに“世界遺産”級だ。群馬が誇る名所「富岡製糸場」の近くで生まれ育った健大高崎・佐藤麻恩投手兼DH(3年=背番号3)が、攻守で躍動した。憧れのドジャース大谷翔平投手をほうふつとする投打二刀流で出場し、投げては6回6安打無失点、打っては5回に決勝適時打をマーク。東海大甲府(山梨)との関東勢対決を制し、11年ぶりの16強入りに導いた。「今日は絶対に自分が引っ張る気持ちでした」と試合前から心に誓った思いをプレーで体現した。

6回までに4度得点圏に背負うピンチを招いた。0-0の4回2死満塁。2打席連続ヒットを打たれた大沢風汰内野手(3年)との対戦では、1歩も引かず3球連続ストレートを内外角の低めに投げきり見逃し三振。「キャッチャーの大岩を信じて、引いたら絶対に打たれる。強気に攻めることができた」と狙い通りの投球を披露。攻撃では5回1死一、二塁から右前へストレートをはじき返し決勝適時打を放ち「バッティング練習から右中間、左中間を意識して低く強い打球を打っていった結果がつながった」とうなずいた。

日本の近代化を支えた富岡製糸場の目と鼻の先で生まれ、豊かな自然に囲まれた地で伸び伸びと育った。進路選びからも群馬愛がみてとれ、健大高崎への進学理由は「『県外高崎』とか言われたりする中で、自分のような県内の選手が入れば応援してもらえる。すごい選手が全国から集まる場所で、群馬の自分が勝負してスタメンを絶対に取りたい」から。投げては最速143キロ、打っては高校通算31本塁打。全国から集まる猛者たちの中で揉まれ成長を遂げた大器が、ひときわ輝いた。

◆佐藤麻恩(さとう・まおん) 2008年(平20)4月3日生まれ、群馬・富岡市出身。小1から黒岩ユニオンズで野球を始め、群馬西毛ボーイズ時代の中3時には東日本代表の一員として世界大会に出場。健大高崎では2年春からベンチ入りを果たし、今春の関東大会では横浜エース織田から本塁打を放った。趣味は温泉、好きな言葉は「恩返し」。ちなみに、通っていた富岡中は「目の前にあったという」富岡製糸場にほど近かった。173センチ、81キロ。右投げ左打ち。

◆富岡製糸場と絹産業遺産群 1872年(明5)に明治政府が日本の近代化のために最初に設置した模範器械製糸場で、殖産興業を推進するために国が建てた大規模な建造物。当時は世界最大級の製糸工場だった。繰糸場の規模はおよそ、長さ140メートル、幅12メートル、高さ12メートル。官営から民営に移行するなど変遷を経て1987年まで約115年間操業を続けた。2014年には「富岡製糸場と絹産業遺産群」として世界文化遺産に登録された。

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