<全国高校野球選手権:智弁和歌山7-3敦賀気比>◇15日◇3回戦◇甲子園
智弁和歌山が延長タイブレークまでもつれた11回に勝ち越してベスト8入りを決めた。
10回裏の守備がキーポイントとなった。タイブレークに入った表の攻撃で1点も取れずに裏の守備へ。無死一、二塁からのスタートで、久葉亮太投手(3年)が初球を投げ込む直前に一塁手と三塁手がぐっとチャージした。ストライクを投げ込み狙い通りバントさせると打球は三塁側へ転がり、三塁手の黒川梨大郎内野手(3年)が捕球するとすぐさま三塁へ送球。ベースカバーには遊撃手が入っており、二塁走者をアウトにし、進塁を許さなかった。このバントシフトが功を奏し後続も抑え無失点。11回の5得点につながった。
今回はヒッティングの構えからバントへの切り替えだったが、そのままヒッティングできたり、バントの構えからバスターに切り替えられると、一二塁間と三遊間が広く空いている状態。さらにすべてのプレーの息が合わなければ、二塁走者を刺せても一塁走者に三塁まで走塁される可能性もある。かなりリスクも背負う賭けだったが、黒川は「もしバスターやバット引いてきたらその場で止まって、あとはもう対応っていう感じで。勝負かけてるのでしゃあないなって」と覚悟もした上でのプレーだった。
また「このチームになって、タイブレークであったり、接戦、同点の場合の9回、終盤の守備をイメージしてずっと練習してきた部分」と練習の成果だと明かした。2年前の夏、霞ケ浦に延長タイブレークで敗れて敗退。そこからどう勝ち切るかを考えた際に「ああいうバントシフトであったり、そういうのをしっかりやってサードでアウトにできれば、点を取られる確率はすごく下がる」と選手の側から練習に組み込むことを提案。甲子園入りしてからは初戦の前日練習で一度確認していたといい、大一番でしっかり生きた。
智弁和歌山は強力打線の印象が強いが、今回のプレーのように守備へもこだわる。「やっぱり去年の花巻東、霞ケ浦(戦)でも守備のミスがあった。打ち勝つ、打ち勝つと言ってもやっぱり守備がミスで点を取られれば負けるので、守備はもっと自分たちで意識しようと内野手同士では話してます」と黒川。鍛えられたさりげない堅守から流れを作り、強打で頂点まで駆け上がる。