<全国高校野球選手権:天理6-3高川学園>◇15日◇3回戦◇甲子園
3季連続出場の高川学園(山口)は6回に4失点して一気の逆転を許し、天理(奈良)に競り負け、初の8強を逃した。
◇ ◇ ◇
涙はこらえた。天理に敗れた直後、高川学園のエース木下瑛二投手(3年)から出た言葉はチームメートへの感謝だった。「このメンバーと甲子園でプレーできて幸せでした。助けられてばかりの2年半で、ありがとうと伝えたい」。
小学生の頃から将来有望選手として注目され、故郷香川を離れて鳴り物入りで入学。最速147キロ右腕として初戦の高岡商(富山)でも1失点完投するなどけん引してきた。この日も5回までは無失点投球。クーリングタイムを挟んだ6回に先頭から3連打を浴び、この日初失点。「あそこで球場の雰囲気が自分の中で変わったというか、気持ちの部分でやられたというか」。続く打者にも四球を与え、無死満塁のピンチを残して降板。「申し訳なかった」とこの回、チームも逆転を許した。
視線は前を向く。「プロになって絶対ここに戻ってきます」。試合でも1度は左翼の守備に就いたが、3点を追う9回表に再びマウンドへ。松本監督が「9回裏を諦めないため。勢いをもたらしたかった」と願いを込めて起用した。「彼には次がありますから。これで終わりじゃない」。
木下は今後について「長くプレーできる投手になりたい」と掲げる。「自分の力は出せました。今は『最高』の一言です」。晴れやかに前へと進む。【松尾幸之介】