【甲子園】緊急先発で完投の有明・斉藤遼汰郎「先発したかったんでできて嬉しい」

有明対東日本国際大昌平 東日本国際大昌平戦に先発する有明の斉藤遼汰郎(撮影・加藤哉)

<全国高校野球選手権:有明4-1東日本国際大昌平>◇16日◇3回戦◇甲子園

有明(熊本)が東日本国際大昌平(福島)との初出場対決を制し、3試合連続の逆転勝利でベスト8を決めた。熊本県勢初出場での準々決勝進出は1963年九州学院以来63年ぶり。“斉藤工”コンビの工(たくみ)修哉投手(3年)が試合直前に負傷し、先発を緊急回避。スタメン変更で先発マウンドに上がった斉藤遼汰郎投手(3年)が1失点完投し、チームを救った。熊本地震で不安な日々が続く地元へ、有明旋風で頂点に挑む。

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相棒のアクシデントを背番号1が救った。スクランブル先発となったエース斉藤が9回109球を投げ、5安打7奪三振1失点で今夏初完投だ。「相手もレベルが高いところで、1点で抑えられたっていう自信はつきました」と堂々と胸を張った。

の “斉藤工”コンビの工が先発を緊急回避。試合前練習で、別の選手が素振りしていたそばを通りかかった際、バットが左手の甲に接触。登板が困難になり、試合後の精密検査で骨折が判明した。メンバー発表後に先発交代を告げられた斉藤だったが「先発したかったのでできてうれしい。完投できる能力は自分でも持っていると思うので大丈夫かな」と、昨秋九州大会以来の先発に心躍らせた。

工からは「ごめん、任せたよ」と送り出された。初回、先頭に二塁打を浴びるなど2安打で1失点。2回も暴投などで三塁まで進められるも無失点で抑えると、3回からはテンポ良く投げ込んだ。0を積み重ねながら援護を待つと、打線が8回に一挙4点で奪い、初戦から3試合連続で逆転に成功。「点数を取った回は必ずピンチが来ると思っているので、チャンスを与えずに0で抑えよう」とその裏を3者凡退。最終回も7球で3者凡退で締め、最後までマウンドを守り抜いた。

この日の調子は10点満点で「7か8点。中盤後半にかけて変化球も真っすぐもストライクが入りだしたのが良かった。全国レベルでも真っすぐの伸びで押せている」と大舞台で大観衆の中、納得の投球ができた。

この試合の終了間際にも熊本で震度3の地震が発生するなど、7月28日の熊本地震から約20日間たった今でも、地元は不安な日々が続く。「元気を今日も与えられたかなって。次の試合も厳しい戦いになると思うけど、そこで粘り強くまた元気を与えられるように」。チーム目標のベスト8は達成したが「最終的な目標は優勝」。次も勝利で被災地へエールを届ける。【佐藤妙月】

◆初出場3勝 有明が今大会3勝目。春夏を通じて初出場の学校が3勝を挙げたのは熊本県勢初。夏の甲子園では06年鹿児島工(3勝1敗で4強)以来20年ぶりとなり、夏8強は13年富山第一(2勝1敗)以来。次の健大高崎戦にも勝って4勝すれば、04年の千葉経大付(4勝1敗で4強)以来になる。

◆逆転3勝 春夏を通じた初出場校が逆転勝ちを3度以上記録したのは、95年夏の旭川実(3勝)以来。旭川実は2回戦の鹿児島商戦で2度も5点差を逆転し、両軍合計37安打の乱打戦を15-13で制した。85年夏に創部3年目で出た甲西(滋賀)は、4番石躍(いしおどり)らの活躍で3回戦の久留米商戦に延長11回2-1で逆転サヨナラ勝ち、準々決勝でも東北のエース佐々木主浩を相手に6-5の逆転サヨナラ勝ちでオール逆転の3連勝。「ミラクル甲西」の旋風を巻き起こした。

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