<全国高校野球選手権:花巻東4-0英明>◇16日◇3回戦◇甲子園
敗退チームのドラマにスポットを当てる「胸張ってイイじゃん」を随時掲載し球児たちの奮闘に迫ります。
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次の一言を、言えなかった。敗戦後のお立ち台。「本当に…」と語り始め、英明(香川)冨岡琥希投手(3年)の声が詰まり、涙があふれた。なんとか気持ちを落ち着け「自分のせいで負けてしまって、申し訳ない気持ちで仕方ないです」と震える声を絞り出した。
仲間の失策から生まれた2回1死一、三塁のピンチで踏ん張れなかった。遊ゴロで先制を許し、0-2の6回は2四球と花巻東の足攻で3点目を許した。「修正ができませんでした」と悔やんだ。
ただ今春のセンバツ8強、今夏の3回戦進出と、チームの進撃の中心には冨岡がいた。王者・大阪桐蔭を苦しめたセンバツ準々決勝は、8回4失点完投。優勝候補の一角、関東第一(東東京)を破った今夏1回戦は、9回1失点完投。粘り強い投球で強豪と渡り合った。
「疲労もあったと思う。調子が良くないなりにすごく頑張ってくれた」とねぎらったのは捕手の高田斗稀(3年)。「頼もしいピッチャーでした。味方のミスをカバーしてくれた。冨岡がいなければ、自分たちはこんないい経験できなかった。冨岡で負けたのは、自分は納得がいきます」と続けた。仲間が命運を託せるエースだった。
冨岡も「仲間に支えられていい生活ができました」と振り返った高校野球。大学野球でも、仲間が背中を預けるエースになる。【堀まどか】