高校野球、横浜高で甲子園春夏5度の優勝を誇り、通算でも51勝をあげた渡辺元智(わたなべ・もとのり)氏が死去したことが17日、分かった。81歳だった。神奈川県出身。
2015年監督勇退、総監督になった後も、村田浩明監督(40)が指揮を執る横浜の戦いぶりを注目していた。エース織田翔希投手(3年)が23年夏の甲子園V慶応を相手に、自己最速を4キロ更新する157キロをマークした今夏の神奈川大会準決勝を観戦。試合後には自身が育て、西武や米大リーグなどで投手として活躍したOB松坂大輔氏(45)を引き合いに出し「高校時代の松坂と比べると、織田の方がいいんじゃないかな。いい投手だよね。将来的にこれからもっと伸びて、プロの世界でも、松坂クラスになる可能性を秘めている」と高く評価していた。
花巻東との準々決勝を翌日に控え、横浜はこの日の大阪市内で練習を実施。練習前にグラウンドに集合したナインは、村田監督の話をじっくり聞いた後、ホームベースに向き直し1、2分間目をつぶって、祈りをささげる様子を見せた。
練習後に報道陣の問いかけに、織田は「ちょっとここではお話はできないです」と言葉を濁した。村田監督はグラウンドで黙とうをささげていたことは否定せず「今はお話できない」と話すにとどめた。
◆渡辺元智(わたなべ・もとのり)1944年(昭19)11月3日生まれ。神奈川県出身。横浜高から神奈川大。選手時代は中堅手。65年に母校横浜のコーチを務め、68年に監督に就任。73年春に甲子園初出場で初優勝。夏は80年に初の全国制覇を達成した。98年は甲子園春夏連覇し、明治神宮大会、国体も制して4冠を達成。甲子園は春夏27度出場して5度優勝、歴代5位の51勝。15年夏の神奈川大会を最後に勇退した。「野球を通じて子供を育てる」を指導モットーに、松坂大輔のほかにも成瀬善久、涌井秀章、筒香嘉智ら数多くの選手をプロ野球に送り出した。渡辺佳明(楽天)は孫にあたる。