【悼む】会う度に「笑顔でね」 練習後は一転、今でも忘れない横浜渡辺監督の笑顔 

元横浜高校監督の渡辺元智さん(2014年)

高校野球、横浜高で甲子園春夏5度の優勝を誇り、通算でも51勝をあげた渡辺元智(わたなべ・もとのり)氏が死去したことが17日、分かった。81歳だった。神奈川県出身。高校野球界で一時代を築き、松坂大輔ら数多くプロ野球選手を育てた名将だった。

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記者になって初めて取材したのが横浜だった。

右も左も分からない私が見た当時の渡辺監督は、血気盛んでとにかく怖い監督。新人の私は選手たちを見て「何が楽しくて野球をやっているんだろう」と疑問を抱いたのを覚えている。しかし練習後は一転、愛情あふれる言葉や選手に寄り添う姿。選手が言った「僕らは渡辺監督と野球がしたくでここにいるんです」。これが横浜なんだと思った。

取材後、何も分からずニコニコしていた私に渡辺監督が「いつまでもその笑顔で頑張りなさいね」と言ってくれた。その後も、会う度「笑顔でね」と、声をかけてもらった。

昨年、大病を患ったことを告白すると「大丈夫、今の医療はね、進歩しているんだから。信じて、しっかり治療するんだよ。うん、ほら、その笑顔だ。大丈夫だよ」。そのときの渡辺監督の笑顔は今でも忘れない。全てを包み込むような温かさ。どれだけ安心したことか。きっと、これまでたくさんの教え子たちが、この温かさに支えられてきたのだと実感した。そして、やっぱり最後も笑顔を褒めてもらった。だからこれからも、いくつになっても、笑顔で頑張ろうと思います。ね、渡辺監督。【アマチュア野球担当=保坂淑子】