<全国高校野球選手権:健大高崎1-0有明>◇18日◇準々決勝◇甲子園
熊本勢10年ぶりの4強を目指す初出場・有明(熊本)が、健大高崎(群馬)と接戦の末、延長サヨナラ負けした。
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お願い--。有明(熊本)ナインのいちるの望みは、届かなかった。0-0で迎えた延長タイブレークの10回裏1死二、三塁。一、二塁間に飛んだゴロを二塁永田が好捕して本塁へ。クロスプレーとなった判定はセーフ。ビデオ検証を求めたが判定は覆らず、旋風を起こしてきた有明の夏が終わった。
緊迫した投手戦だった。3回戦の東日本国際大昌平(福島)戦で先発完投したエース斉藤遼汰郎(3年)が先発。両チームあと一本を出させない展開でスコアボードに0が並んだ。迎えた9回裏、2死満塁のピンチでも斉藤は笑っていた。
「三振取ったろ!」。3回戦の試合前練習で左手を骨折し、投球が困難になった“斉藤工”コンビの工(たくみ)修哉投手(3年)からも伝令で「落ち着いて楽しく笑顔で」と声をかけられ、見逃し三振に斬った。延長タイブレークが決まると球場全体に「有明」コールが響き、流れがきたかと思われた。だがプロ注目右腕石垣の壁は高く「泥んこムツゴロウ打線」も最後まで本塁が遠かった。
敗戦の整列後、斉藤は空を見上げたが気持ちは晴れやかだった。「悔いなく、とても楽しい、いい夏にできた」。練習がきつくてやめたいと思ったこともあった。それでも「エースになって甲子園に行きたい」。強い思いがつなぎ止め、大舞台にナインを導いた。
3試合連続の逆転勝ちで同校初のベスト8。7月末に大地震に見舞われた熊本へ、懸命のプレーでエールを送り続けた。「被災地の方々に勇気を、もう一踏ん張り頑張ろうって。そこを与えられたのかな」。胸を張って熊本に帰る。【佐藤妙月】