【甲子園】智弁和歌山・楠本龍生、横浜・織田から確信弾「完璧」寮では卵焼き職人としての顔も

横浜対智弁和歌山 3回裏智弁和歌山無死二、三塁、楠本龍生は勝ち越しの本塁打を放つ(撮影・石井愛子)

<全国高校野球選手権:横浜1-7智弁和歌山>◇20日◇準決勝◇甲子園

準決勝の第1試合は、智弁和歌山が横浜(神奈川)との優勝候補対決を7-1で制した。5番楠本龍生内野手(3年)が大会屈指の横浜右腕・織田翔希投手(3年)から決勝3ラン。春夏合わせて10度目の決勝に導いた。

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手応え十分の確信歩きだった。しかもあの織田を完璧に捉えた。智弁和歌山の5番楠本が横浜の最速157キロ右腕から会心の勝ち越し3ラン。春夏10度目の決勝進出に大きく貢献した。

4番山田の適時打で1-1に追いついた3回、なお無死二、三塁。カウント2-0から織田の152キロの直球を振り抜くと、打球は右翼スタンドへ一直線。「真っすぐ一本、狙っていこうと。完璧やと思いました」。カウント2-0からは100%真っすぐがくる-。サポートメンバーが取ってくれた織田の投球データも活用し、直球に絞って待っていた。スイング後、少し余韻に浸るように歩きながら打球を見届けると、一塁手前で右手を突き上げてダイヤモンドを1周。中谷仁監督(47)は「ガッツポーズせんと、ちゃんと走って」と苦笑いだったが、甲子園で過去14試合、被本塁打0だった難攻不落の右腕を沈め、一気に流れを引き寄せた。

二塁守備でも好プレーを連発し、名手としても高校野球ファンを賑わせている。グラブは三塁手の黒川がセンバツで使用していたものを借りている。「コーチが(黒川)梨大郎(りんたろう)のやつが使いやすいからって。それから良くなった」と秘話を明かした。 打って、守って、さらには作れる“三刀流”でもある。元々料理好きだったこともあり、1年時からナインの食事作りを担う。寮生活では中谷監督夫人で寮母の千保子さんと一緒に厨房に入り、朝から卵焼き機を二つ使って巻き続ける。一連の動画がYouTubeにアップされると、そのレベルの高さから「卵焼き職人」と話題に。ギャップ満載の背番号4の活躍ぶりは、高校野球ファンをとりこにしている。

PL学園(大阪)に並ぶ5年ぶり4度目(5位)の夏の頂点まであと一つ。「全員が活躍できるように頑張ります」。豊富な投手陣を擁する健大高崎も料理する。【佐藤妙月】

◆楠本龍生(くすもと・りゅうせい)2008年(平20)8月14日生まれ、和歌山県出身。小4から田辺第二クラブで遊撃手として野球を始めた。東陽中ではみなべリトルシニアでプレー。智弁和歌山では2年時の春夏甲子園でベンチ入り。今夏の和歌山大会決勝耐久戦では初回に2ランを放った。趣味は絵を描くこと。好きな言葉は「やればできる」。遠投100メートル。50メートル走6秒4。173センチ、75キロ。右投げ左打ち。

∇智弁和歌山・中谷監督「楠本の本塁打が本当に大きかった。織田君に思い切って向かっていった結果。(先発の)和気はいつも以上に丁寧に投げてくれて頼もしかった」

∇智弁和歌山・松本主将「楠本のホームランで一気に自分たちの流れになった。織田投手の対策をしてきたので余裕を持って試合に臨めた」

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