球児たちの夏の祭典が、佳境を迎えている。5日に開幕した第108回全国高校野球選手権大会。代表49校が連日熱戦を繰り広げた中で、担当記者たちも現地で精力的な取材を行っている。「書ききれなかった話」も多くあり、記者たちがセレクトした敗退チームの話題を紹介する。
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春夏通じて初出場の東日本国際大昌平(福島)の快進撃は16強で幕を閉じた。中野蘭マネジャー(3年)は聖地の土を両手いっぱいにかき集めながら、最後まで笑顔を絶やさなかった。
中学時代は俊足が自慢の外野手だったが、高校ではマネジャーとしてサポートする立場になった。入学後に、女性部員の前例がないことを知り「不安がいっぱいだった」と戸惑いもあった。それでも江井康胤(えねい・やすたね)監督(55)から「キャプテンよりも立場が上で、大学で言うと主務。プライドをもって頑張ってくれ」とかけられた言葉で覚悟を決めた。
「どれだけ下手くそでも、負けてもいいから、体だけは気を付けてほしかった」。選手らの体調管理には人一倍気を配り、洗濯、遠征時の身の回りのチェックなど、快進撃を支えたのは献身的なサポートだった。峯大珠(たいじゅ)主将(3年)も「本当に彼女がいなかったら、チームが本当に成り立たなかった」と存在の大きさに感謝した。
甲子園で「同じ気持ちになりたい」とユニホーム姿で見た景色、健闘した仲間の姿は忘れない。「仲間と一緒に歩んできた最後の夏は、自分にとってこれ以上ない宝物だなと思います」。晴れやかな表情で甲子園を後にした。【高橋香奈】