<U18アジア選手権:日本0-2韓国>◇13日◇決勝◇台湾・台北ドーム
【台北(台湾)14日=平山連】13日に閉幕した「第14回BFAU18アジア選手権」で、日本はスーパーラウンドに続き韓国に敗れ、準優勝で幕を閉じた。U18世代の国際大会で韓国に同一大会で2連敗するのは初で、シニアを含めると09年のWBC以来17年ぶりだった。日本はなぜ韓国に勝てなかったのか-。
試合後の取材で韓国のチョン・ユジン監督は「警戒していた織田が台湾戦の1試合に投げるだけで終わった。もし彼が投げていれば、かなり難しい試合だったと思う。韓国チームはラッキーでしたよ」と答えた。
国際大会で、同じ相手に2度負ける。それは決して偶然ではない。チーム発足の8月20日以来、日本と台湾を中心にライバルの動向をくまなく分析してきた。特に日本において、メンバーの中に左打者が多い構成になる可能性を事前に予測。投手登録6人のうち3人をサウスポーに据えた。選考段階から本大会での試合を想定した準備がバッチリとはまった。
中でも大会MVPに輝いた「釜山の大谷」こと左腕のハ・ヒョンスン投手の活躍はめざましかった。今大会は開幕戦の台湾戦、スーパーラウンドの日本戦、決勝戦と3試合に登板し、3勝負けなし。15回2/3を投げ無失点に抑え、奪三振は25個を数えた。チョン監督によると、195センチ、94キロの恵まれた体格を持つハは、プレート板からどれだけ前方でボールをリリースしたかを示す「エクステンション」が驚くほど秀でているという。MLB公式データ解析サイト「ベースボール・サバント」ではドジャースの右腕グラスノー投手やブルワーズの剛腕ジェーコブ・ミジオロウスキー投手の2メートル29センチがトップの部類に位置するが、ハについては「体感的に2メートル20センチ近くくらいあるんじゃないか」と指摘する。
ハの自己最速は153キロで、日本のエース織田翔希投手(3年=横浜)の157キロには及ばない。ただ、高長身から投げ下ろされるボールはより前方で投げられた分、対峙する打者の体感は今までにない印象となったに違いない。特にあの低めに決まるスライダーは手がつけられず、山田凜虎(りとら)捕手(3年=智弁和歌山)は「おとといの試合(スーパーラウンド)でもスライダーを振ってしまってたので、ミーティングではスライダーゾーン上げて振っていこうと話してました。見逃し三振でもOKくらいのつもりでというのミーティングがあったんですけど、それでも本当に振ってしまった」と苦しめられた。
決して万全とはいえないコンディションでも、ハは最後まで1人で投げた。「正直に言うと、これまでたくさん投げてきたこともあってかなりコンディションが落ちている状態でした。でも、決勝戦の先発ですし、そのマウンドには絶対に自分が立ちたいという思いがあったので、自分から監督にお伝えしました」。この日の最速は148キロを記録。「今日はスピードが出ないだろうなと思って投げたんですが、初回に表示を見たら146キロとか出ていた。『あ、今日は力押しでいけば抑えられるな』と思って投げたら、かなりうまくくいきました」と満足そうに振り返った。
韓国メディアからは「シニア代表では歴代の日韓戦において『日本キラー』呼ばれるエースの系譜があったが、ご自身もその一員に近づけたのでは」と問われると、「U18ではありますが、今大会に関しては胸を張って国を代表できたと思うので、とても誇らしく思います」と胸を張った。
現地メディアによると、ヤンキースからの300万ドル(約4億8000万円)のオファーを断って、高校卒業後の進路は韓国プロ野球(KBO)へ絞っている。来たるKBOドラフトの全体1位指名候補とされる超逸材は「今シーズンはこれでほぼ終わりました。しっかり休んで体を作り直し、新人ドラフトでも良い結果があればいいなと思っています。プロに入れたら、1日も早く1軍で活躍することが今の目標です」。将来が楽しみな選手が現れたと思うと同時に、順調に成長し続ければ日韓戦で脅威の投手になる。今後10年以上にわたり日本を苦しめるであろう存在が、台湾の地で誕生した気がした。