愛甲猛氏「僕が一番迷惑をかけた」渡辺元智さんのお別れの会に参列「ゆっくり休んでください」

横浜・渡辺元智元監督のお別れの会に出席し、報道陣の質問に答える愛甲猛氏(撮影・浅見桂子)

横浜高校を春夏通算5度の甲子園優勝に導き、8月17日に81歳で死去した名将、渡辺元智さんのお別れの会が14日、横浜市内で行われた。プロ・アマ問わず約1500人の野球関係者が参列し、故人との最後の別れを告げた。横浜高元部長の小倉清一郎氏(82)、村田浩明監督(40)が弔辞を述べた。

80年夏の甲子園でエースとして全国制覇を果たした同校OBの愛甲猛氏も参列し、式典後の囲み取材に応じた。愛甲氏は悲しみをこらえながら、恩師への尽きない感謝とおわびの思いを口にした。

「もう『あとはゆっくり休んでください』という言葉をかけさせていただきました。多分、監督の野球人生の中で僕が一番迷惑をかけたと思う。そのおわびとお礼です。正直言って、監督がいなかったら、今こうして囲み取材を受けられるような立場にもなっていない。本当にお礼のしようがないくらいお世話になりました」。

恩師との思い出を問われると、高校時代に心へ深く刻まれた「言葉」を振り返った。「試合中に必ずかけられたのが『我慢しろ、我慢だ』という言葉でした。あの頃、監督が『冷静沈着』という言葉を色紙に書いているのを何度も見て、まさに書いて字のごとく、言おうとしていることが自分の中に深く残っています」。また、3年春の大会で一度だけ本気で怒られたエピソードも明かした。「怒りを抑えられずにグローブを投げてことがあって、本気で怒られました。それ以来、一切喜怒哀楽を表に出さないと決めました。当時はそれが逆に『生意気だ』と思われることもありましたが、実は感情を出したかったのを監督の教えで抑えていたんです。でも、その『我慢しろ』という教えがあったからこそ、プロに入ってからも我慢して練習を重ね、レギュラーをつかみ取ることができた。僕の人生を決めて、作ってくださった方です」と感謝した。

最後は「本当に残念ですが、天国でゆっくり休んでいただきたいです」と語り、高校野球界に大きな足跡を残した恩師を悼んだ。

元横浜監督・渡辺元智さんお別れの会 愛甲猛氏、筒香嘉智、近藤健介らOB、関係者が多数参列>>