初の東北大会出場を決めたいわき湯本(福島第3代表)が、秋季高校野球東北大会(12日開幕、石巻市民球場ほか)の初戦で山形中央(山形第3代表)と対戦する。チーム躍進のカギを握るのは、投打の二刀流でチームをけん引する半谷晴(はんがい・はると)内野手(2年)だ。県大会では「3番三塁」と中軸を担い、投げては最速141キロの直球を武器に、5試合中4試合に登板とフル回転した。チームが掲げる「東北1勝」へ向け、キーマンが力を見せつける。
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新たな扉を開いた実感が込み上げた。福島県大会の3位決定戦。日大東北との大一番で最後の打者を三振に打ち取った、いわき湯本・半谷は「本当にホッとしたというか、やっと勝ち切れたので達成感がありました」と、表情を和らげた。チームは22年4月に湯本と遠野が統合。再出発してから初めての東北大会出場を決め、喜びをかみしめた。
大車輪の活躍でチームの快進撃を支えた。3番として「狙い球をしっかり打つ」と持ち味を発揮し、5試合で24打数7安打3打点。打者としての仕事ぶりはもちろん、投手としても存在感を示した。2回戦のふたば未来学園戦では、7回から延長14回まで投げ切るなど、4試合で救援登板し防御率2・31。守護神として「抑えの立場を任されている。『行くぞ』と言われたら、すぐに肩と気持ちを作れる」と、マウンドで役割を果たしてみせた。
地道な歩みで能力を高めてきた。「9割は野手の練習」ながら、1年冬から継続するウォーターバッグを用いての下半身強化やウエートトレーニングなどにより、120キロ台だった直球の最速は141キロまでアップ。2年夏の新チームを迎えてからは、変化球の精度も高めた。小学生時代のチームメートで交流のある、聖光学院・松本叶我投手(3年)から助言をもらい「横に動かすボールも使えるようになった」と、投手としての成長を実感できている。
初めて立つ東北の舞台。チームの目標は「1勝」だ。清水孝信監督から「すごく一生懸命で向上心がある。まだまだ伸びる」と期待される半谷も、初戦へ向け意欲は増すばかりだ。「東北は手ごわい相手ばかり。自分らしく全力で野球をやって、一戦必勝で頑張りたい」。いわき湯本が誇る二刀流。快音を響かせ、右腕を振る。半谷の存在が相手の脅威となる。【田口元義】
◆半谷晴(はんがい・はると)2009年(平21)5月10日生まれ、福島県いわき市出身。小学1年から「常磐軟式野球スポーツ少年団」で野球を始める。湯本三中では同野球部に所属し投手と遊撃手を務め、軟式の選抜チーム「いわき松風クラブ」でもプレー。いわき湯本では1年秋からベンチ入りし遊撃手、2年秋から三塁手兼投手に。最速141キロ。球種はスライダー、カットボール、カーブ、フォーク。172センチ、62キロ。右投げ右打ち。