<全国高校野球選手権:大阪桐蔭15-9敦賀気比>◇24日◇準決勝

 大阪桐蔭は3本塁打を含む12安打の猛攻で敦賀気比(福井)を破り、春夏連覇した12年以来2年ぶりの決勝進出。1回に5点を先取されたが、両チーム合計5本塁打が飛び出した乱打戦を逆転で制した。

 エース藤浪(現阪神)の春夏連覇から、2年でタイトル奪取に王手だ。大阪桐蔭が猛威をふるった敦賀気比に打ち勝った。8-6の4回2死三塁。高校6号2ランで流れを引き寄せたのは、昨年春夏甲子園メンバーの森晋之介(3年)だった。

 「入ってくれ~と祈りました。最高の1本になりました」。前試合まで2割3分1厘の打者が、2回戦・明徳義塾(高知)戦以来の5番に座った。前日23日の練習で復調を見抜いた西谷浩一監督(44)の決断に、森は応えた。1-5の初回1死二、三塁は右翼線へ2点適時二塁打を放ち、そして4回に1発を放った。

 小学時代から朝は10分で50回、夜は300本と素振りに励んだ。本庄中時代は「東成シニア」で、元オリックススカウト部長で当時監督の堀井和人氏(66)に鍛えられ、高校1年秋からベンチ入り。2年上の藤浪に「森なら頑張ればレギュラーを取れる」と励まされ、初先発の秋季近畿大会1回戦・光泉(滋賀)戦で公式戦1号3ラン。2年の秋以降は1年上の森友哉(現西武)に「下半身を使え」と太ももの間にボールをはさみ、内転筋を鍛えながら打つ練習を教わった。「森さんに教えていただいた成果」と感謝した。

 初回、先頭打者弾で反撃ののろしをあげた中村主将は言う。「監督から『大会中に成長できないと優勝はない』と言われました。試合ごとに成長していると思います」。12年夏に藤浪らがつかみ、昨夏に森友が返した大優勝旗。きょう、中村が奪い返す。【堀まどか】

 ◆先頭打者本塁打

 大阪桐蔭・中村が1回裏に記録。大会通算31本目(1回表18本、裏13本)。