右上腕痛などのため、故障者リスト(DL)入りしているカブスのダルビッシュ有投手(32)が19日(日本時間20日)、傘下マイナーの1Aサウスベンド(対グレートレイク)に登板し、1回を投げ終えた後、右肘付近に痛みを訴え、わずか19球で交代した。

 2回表、マウンドへ向かい、投球練習を開始した直後、突然痛みに襲われた。1回2死からは最速95マイル(約153キロ)の外角低めへの速球で見逃し三振。「納得のいく球だった」と感じていただけに、ショックを隠せない。突然の痛みは、6月25日の登板時と似通った症状。「同じような強い痛みが出た。急にダメになったという感じ。前回はこれで投げてしまったんですが、今回はその前でやめておこうと。ヤバい一線を越える前だった」。続投した前回は、症状が悪化。実戦復帰まで約2カ月を費やした。自らブレーキを踏んだ今回は「キャッチボールもできると思う」。すんでのところで、「ヤバい一線」を察知した。

 20日にも地元シカゴでMRIなどの精密検査を受け、医師の診断を仰ぐ予定だが、リハビリ計画の軌道修正は避けられず、後退したことは確か。年内のメジャー復帰も不透明になった。だが、ダルビッシュは、望みを捨てていない。公式戦は残り6週間。「残念です。ただ、今年中に絶対に帰って来る気持ちでいます。最後まであきらめないでやっていくしかない。神様は自分に何を教えようとしているのか…」。苦しさを胸に、新たな決意を口にした。(サウスベンド=四竈衛)