ベーブ・ルースのように、病と闘う子どもへホームランを届けた。

エンゼルス大谷翔平投手(24)は試合前の打撃練習を行わなかったが、グラウンドに姿を見せた。アナハイム近郊に住むジェレミー・ウィルガーさん一家と写真撮影。そのうちの1人、ジェレミーJr.君(7)は2年前、脊髄にウイルスが感染。原因不明の病気を患った。体にマヒが残ったため車いすで、人工呼吸器をつけて生活している。

大谷は、この日が7歳の誕生日だったジェレミーJr.君に寄り添い、通訳を通じて会話した。ほんの数分だったが、サインボールも渡した。初めて野球場に訪れて大谷に会ったジェレミーJr.君の目は輝いていた。「楽しかったよ」と少し恥ずかしそうに振り返り、お礼に「ありがとう」と日本語で言うと、大谷も満面の笑みを見せた。

ベーブ・ルースもかつて病気の少年を見舞い、ホームランの約束を交わし、翌日に本塁打を放った。大谷は、8月にも大病と闘う余命約1カ月の少年と試合前に写真撮影。試合ではトラウトとともに1発を放った。偶然でも、大谷の放ったアーチは少年たちにとって、かけがえのない瞬間になったはずだ。【MLB担当=斎藤庸裕】