ブルワーズが初回に奇策に出た。先発の左腕ウェード・マイリー投手(31)が先頭打者に四球を与えたところで降板した。わずか5球。プレーオフ史上2人目となる打者1人での交代だった。

交代はアクシデントではなかった。戦略家としても知られるブ軍のカウンセル監督は「ドジャースはタフなチームだし、我々はマッチアップ(打者と投手の相性)を考えていた」と説明した。ド軍は左投手に対して相性の良い右打者を並べる傾向が強く、この日も、投手を除く8人の打者のうち6人が右打者だった。

カウンセル監督は左投手を先発させ、直後に右投手を投入することで、「右打者対右投手」の構図となる戦略をとった。次の19日(同20日)の第6戦には中1日で、再びマイリーを先発させる方針だ。

2番手で登板した右腕ウッドラフは粘り強く投げて5回までは1-1で、6回途中まで投げて3失点だった。だが、後半に投手陣が踏ん張れず、ド軍に王手をかけられた。対戦成績2勝3敗となり、残り2戦は本拠地ミルウォーキーでの戦い。カウンセル監督は「ホームに帰るということは強み」と自信をのぞかせた。

第6戦の先発はマイリー。第7戦は、第3戦で6回途中まで無失点に抑えたチャシーンが先発と予想される。先発2枚と強力リリーフ陣を立て、連勝での逆転突破を狙う。カウンセル監督は「先発投手を2人使える強みがある」と自信ありげだった。【斎藤庸裕】