前日、右手薬指を負傷したエンゼルス大谷翔平投手(24)が、一夜明けた21日(日本時間22日)、3番DHでスタメン出場。4打数1安打で、9試合連続出塁を記録した。

前夜、投球が直撃した直後の沈痛さがウソのように、大谷はケロリとした表情で試合に臨んだ。「(バットを)振れる状況なのでいきました」。6回。前2打席で捉えきれなかったチェンジアップをほぼ完璧に読み切り、右前へライナーで運んだ。3試合、12打席ぶりの安打で周囲の不安を吹き飛ばした。

負傷直後は、患部がしびれ、この日の出場は不透明だった。検査の結果、骨に異常はなかったものの、打撲で指が腫れ、内出血の青アザが残った。だが、夜が明けると、驚異的に回復していた。首脳陣らに患部の写真を送信し、球場入り後、握力チェックなどで状態を確認。自ら「行けます」と伝えた。「むしろ僕がよけなかったのが悪い。よけられる範囲内のボールだったと思います」。相手の投球ではなく、自らに反省点を求める思考で、負の要素を力に変えた。

22日にはリハビリ計画の予定通り、キャッチボールを行う予定。だが、大谷の関心は自分自身ではなく、チームに向けられていた。「2連敗しているので、打席でどう貢献できるかの方が大事。明日1個(勝利を)取れれば、また流れが変わるんじゃないとかと思います」。24歳の野球少年は、あらためてプレーする喜びを再認識しているかのようだった。(アナハイム=四竈衛)