【トロント(カナダ・オンタリオ州)19日(日本時間20日)=斎藤庸裕】エンゼルス大谷翔平投手(24)が、今季14度目のマルチ安打をマークし、打撃好調をキープした。

ブルージェイズ戦に「3番DH」で出場し、6打数2安打。「アウトも比較的、悪くはなかったので、いい打席が多い」と手応えを口にした。中でも6回の第4打席で放った左翼へのライナー性の二塁打は「いい打球だったと思う」と好感触だった。

6月に入って二塁打はこれで4本目。11日に7号ソロを放った際、「打ち損じても間を抜ける二塁打になってくれるくらいの(ボールの)捉え方はもう少し上がる余地はある」と話したように、二塁打を打つことを基本の打撃スタイルとする。調子のバロメーターの1つでもあり、徐々に本数が増え始めたことは打撃好調の証しと言える。

走塁でも1回、2死一塁から今季3個目の盗塁を決めた。2回の第2打席では一塁へのゴロで内野安打。高いバウンドで弾み、快足で楽々セーフとした。「体は動いてきているかなと思う。復帰当初に比べると、一塁までもいいタイムが出ていると思いますし、二塁までも(スライディングで)滑るまでいいタイムが出ているんじゃないかなと」。5月7日に打者復帰してから6週間。状態は確実に上がっている。

とはいえ、この日は2発7打点のトラウトの活躍が目立った。大谷は「いいんじゃないですか。チームにとって最高の結果じゃないかなと思うので、前で伸び伸び打って、その陰に隠れていいと思います」と笑った。貯金1として波に乗ってきたチームとともに、大谷の表情も明るかった。

◆走塁メモ ホームから一塁到達タイムが4秒を切ればメジャーでも走塁エリートと呼ばれ、大谷も昨年3秒99のタイムを出し話題となった。この日は2回の内野安打、6回の二塁打で俊足を発揮し、本紙がテレビ映像からストップウオッチで計ったところ3秒8前後で、誤差を考慮しても4秒は確実に切っていると思われる。また大谷の二塁到達タイムは昨季7秒94を出しているが、この日の二塁打は本紙計測では7秒台前半だった。