【サンディエゴ(米カリフォルニア州)8日(日本時間9日)=四竈衛、斎藤庸裕】ヤンキース傘下マイナーからフリーエージェント(FA)となっていた加藤豪将内野手(25)が、マーリンズとマイナー契約を結んだことが、明らかになった。来春は招待選手としてメジャーキャンプに初参加する。9日からはサンディエゴでウインターミーティングが開幕。ポスティングシステムでメジャー移籍を目指す筒香嘉智外野手(28)山口俊投手(32)菊池涼介内野手(29)、海外FA権を行使した秋山翔吾外野手(31)ら日本人選手の動向が注目される。

契約交渉が活発化するウインターミーティング開幕を前に、明るい話題が飛び込んできた。ヤンキースからFAとなっていた加藤が、マーリンズでメジャー初昇格を目指すこととなった。代理人のジョン・ボッグス氏が明かした。数日前にマイナー契約を交わし、来春はメジャーキャンプに招待選手として初参加する。

加藤は今季、ヤ軍傘下3Aスクラントンで83試合に出場し、打率2割7分9厘、11本塁打、39打点。5月中旬までは打率3割を超えていたが、選手層が厚い常勝軍団の下で、昇格はならなかった。一方のマーリンズは17年オフに、18、19年にナ・リーグ首位打者を獲得したイエリチ(ブルワーズ)を放出するなど近年、抜本的な改革を進めている。若手主体のチームで、二塁、三塁、遊撃、さらに外野経験もある加藤がメジャー昇格を果たす可能性は十分にある。

加藤は13年にヤンキースからドラフト2巡目で指名され、来季が8年目。恩返しの機会も巡ってきた。マーリンズの現CEOでヤ軍の名遊撃手だったデレク・ジーター氏とは、フロリダ州タンパで行われた1年目の新人練習で対面。外角球を逆方向へさばくこつを教わった。くしくも、同じフロリダでメジャーへの挑戦が再び始まることとなる。

代理人ボッグス氏によれば、メジャーキャンプ招待は契約に含まれており、開幕前にメジャー40人枠を勝ち取れば、マイナー契約からメジャー契約に切り替わる可能性が高い。同氏が「イチローと代わって、素晴らしい日本人野手になるね」と話したように、昇格となれば、マーリンズではイチロー氏以来2人目の日本人野手となる。メジャーリーガー加藤誕生へ、期待が一気に高まった。