DeNAからポスティング制度で米移籍を目指していた筒香嘉智外野手(28)が13日(日本時間14日未明)、レイズと合意した。

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悲願の世界一を目指すレイズにとって、筒香は最良の野手だった。ア・リーグトップのチーム防御率3・65(メジャー1位はドジャースの3・37)を残すなど屈指の投手力を持つ一方で、攻撃力アップが今オフの補強のカギだった。昨季のレ軍は、近年の「飛ぶボール」の時代にありながら、チーム本塁打数は219本(メジャー21位)、出塁率3割2分5厘(同13位)と、時代と逆行したように「投高打低」の傾向が顕著だった。そこで白羽の矢を立てたのが筒香だった。

筒香は長打力に注目が集まりがちだが、選球眼が良く、NPB通算の出塁率は3割8分2厘。4割を超えたシーズンも複数あり、目立たない貢献度への期待も大。キャッシュ監督ら首脳陣が絶賛したのは、長打力、ミート技術だけではない。面談したレ軍側は筒香に左翼だけでなく、三塁、DHなど複数のポジションで起用する考えを伝えた。細かいデータを分析し、対戦相手との相性などで布陣を決める同監督は、筒香の高い対応能力を評価。安定したコンタクト能力を持ち、広角に打てる技術を絶賛したという。不安視される三塁の守備練習にも積極的に取り組む姿勢、野球への情熱など、人柄も魅力だった。

「オープナー」の先駆者でもあり、斬新かつ多彩な戦術を操るキャッシュ監督にとって、野球IDの高い筒香はお気に入りの選手。双方のニーズが一致した結果、レイズ筒香が誕生することになった。