MLB公式サイトが23日、2021年の米国野球殿堂入りメンバー候補について、「もっと注目されるべき5人」を選出。全米野球記者協会(BBWAA)の投票で前回から得票率を9%以上アップさせた候補者に注目し、薬物疑惑とは無縁の候補者に絞って紹介している。

同サイトが最初にピックアップしたのは、今回総得票率が27・5%となったジェフ・ケント氏。2000年にナ・リーグMVPに輝いた同氏は、キャリアの半数以上の試合で二塁を守り、少なくとも7000打席で長打率5割以上をマークした記録を持つ。ただし、同サイトは報道陣との関係があまり良くないことが最大のネックになっていると指摘している。

次に挙がったのはスコット・ローレン氏で、総得票率は前回の17・2%から35・3%にアップ。メジャー17年のキャリアでMVP投票の得票上位10人に1度しかランクインしたことがなく、投票者の総意を得られずにいる。同サイトはそれでも、守備面での貢献度を示す「dWAR」では三塁手として歴代5位の21・2を示していること、資格喪失まで7年あることなどをメリットとして挙げている。

同サイトはさらに、ビリー・ワグナー氏もピックアップ。同氏が前回の16・7%から31・7%と得票率を上げたことを「最大のサプライズ」と表現した。ワグナー氏の奪三振率11・9という数字は、救援として最初に登場し750イニング以上を投げた投手としては、すでに殿堂入りしているトレバー・ホフマン(9・4)、マリアノ・リベラ(8・2)両氏をはるかに上回ると評価。また、リベラ氏に続く歴代2位の通算防御率2・31を挙げている点も好材料としている。

そのほか、資格取得1年目の16・5%から29・2%と、今回得票率を2倍近く伸ばしたトッド・ヘルトン氏、5・5%を獲得し、資格喪失を危うく逃れたボビー・アブレイユ氏も、もっと評価されるべき候補者として名が挙がった。